
東京商工会議所および日本商工会議所はこのほど、「中小企業の賃上げ・賃金改定に関する調査」の集計結果を発表しました。調査期間は2026年4月7日~5月18日で、全国47都道府県の2,260社が回答しました。
調査結果によると、2026年度は全体の7割超(71.3%)の企業が賃上げを実施済または実施予定としており、2025年度(69.6%)をやや上回る高水準となりました。また、平均賃上げ率は4.01%(※賃上げ率の集計結果には「実施予定」の企業は含みません)で、中小企業においても賃上げの動きが定着し、健闘している様子がうかがえます。
本記事では、調査結果から見えてくる中小企業の賃上げに関する全体的な傾向をまとめてご紹介します。
1.約6割が「防衛的な賃上げ」
賃上げの背景には厳しい現実もあります。賃上げに踏み切った企業のうち、業績の改善が見られない中で行う「防衛的な賃上げ」が全体で約6割を占めました。その理由のトップは「物価上昇への対応」と「人材の確保・採用」です。現場からは「価格転嫁が難しく、原資の確保に苦慮している」といった切実な声も複数寄せられています。

2.規模・業種による格差も
全体としては賃上げ傾向にあるものの、企業規模や業種によって状況には差が見られます。例えば、従業員20人以下の小規模企業では、賃上げ実施・予定企業の割合は約6割にとどまっています。さらに、賃上げを実施する場合でも「防衛的賃上げ」が7割近く(全体平均より高水準)に達しており、より厳しい状況がうかがえます。
また業種別に見ると、製造業や情報通信業などは8割超と賃上げ実施割合が高い一方で、小売業や宿泊・飲食業といったBtoC業種では相対的に低い傾向が確認されています。

3.賞与は約8割が支給または予定
月給のベースアップ等だけでなく、賞与・一時金についても全体で約8割の企業が支給(または予定)としています。支給水準についても、賞与について回答した企業の約6割が「昨年度並み」か「昨年度を上回る水準」で支給すると回答しており、厳しい中でも従業員に報いようとする姿勢がうかがえます。

4.苦しい環境下で踏ん張る実態
2026年度の調査結果からは、多くの中小企業が苦しい環境下(防衛的賃上げ)にありながらも、人材確保や従業員の生活を守るために賃上げ・賞与支給に踏み切っている姿が浮き彫りになりました。
「自社と同じ規模・地域の平均的な賃上げ額を知りたい」「業種別の詳細なパーセンテージを確認したい」「他の企業がどのような悩みを抱えているのか、生の声をもっと見たい」という方は、ぜひ、調査結果の詳細をご覧ください。
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