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M&A・事業承継

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2026.06.22

【15次公募】事業承継・M&A補助金 「小規模売り手支援類型」が新設! 専門家活用枠を徹底解説

必読ポイント

対象者:事業承継・M&A補助金は、事業承継やM&Aで会社や事業を譲り渡す・譲り受ける予定の中小企業・小規模事業者などが対象

目的:専門家活用枠は、M&A時の専門家(FAや仲介業者など)にかかる費用を支援。新設「小規模売り手支援類型」は補助上限450万円(補助率3分の2)、従来の「売り手支援類型」は補助上限600万円(+DD費用等の上乗せあり)

【重要】

  1. 申請受付期間:2026年6月19日(金)~2026年7月24日(金)17:00 ※厳守。
  2. 交付決定(正式な許可)が下りる前の専門家との契約・発注・支払いは原則対象外です。また、委託費のうちファイナンシャル・アドバイザー(FA)業務や仲介業務に関する着手金や成功報酬といった専門家費用については、「M&A支援機関登録制度」に登録された登録FA・仲介業者への依頼分のみが補助対象となります。

2026年6月19日(金)から、「事業承継・M&A補助金(15次公募)」の申請受付が始まります。15次公募では、小さな会社やお店のM&Aを後押しする「小規模売り手支援類型」(以下、小規模類型)が新設されます。本記事では、事業承継・M&A補助金の全体像に触れつつ、M&Aの専門家費用を支援する「専門家活用枠」を中心に、小規模類型と従来からある売り手支援類型(以下、従来類型)の違いや、どちらを選ぶべきかの判断基準を分かりやすく解説します。

第1章:15次公募のスケジュールと事前準備

まずはスケジュールと、申請前に済ませるべき手続きを確認しましょう。

  • 申請受付期間:2026年6月19日(金)~2026年7月24日(金)17:00 厳守。
  • 事前準備:本補助金の申請はオンラインシステム「Jグランツ」で行います。申請には「GビズIDプライムアカウント」が必須となります。未取得の方は、アカウントを取得してください。

第2章:補助金の全体像と専門家活用枠

事業承継・M&A補助金は、取り組みの内容や目的に応じて、以下の4つの枠が用意されています。本記事では、この中の専門家活用枠に焦点を当てて解説します。

2.1 事業承継・M&A補助金の4つの枠

  1. 事業承継促進枠:親族内承継などを予定している方向けの支援
    • 代表的な補助対象経費:設備投資(店舗・事務所の工事費や機械器具の購入費)、特許権等の取得に要する弁理士費用(※日本の特許庁への出願手数料等は対象外)、専門家への謝金・委託費など
  1. 専門家活用枠:M&Aに関する専門家(FAや仲介業者)に支払う費用の支援
    • 代表的な補助対象経費:M&A仲介会社やFAに支払う着手金、成功報酬、買収監査(DD)費用、マッチングサイトのシステム利用料、表明保証保険料など
  1. PMI推進枠:M&A成立後の経営統合(PMI)に向けた支援
    • 代表的な補助対象経費:統合計画策定等のための専門家への委託費、事業統合に伴うシステム導入や設備購入費用、外注費など
  1. 廃業・再チャレンジ枠:M&Aや事業承継に伴う既存事業の廃業支援
    • 代表的な補助対象経費:建物・設備の解体費、原状回復費、在庫廃棄費、リースの解約費、廃業の登記手続きに係る専門家費用など

2.2 専門家活用枠に小規模売り手支援類型が新設

15次公募の専門家活用枠には以下の4類型があります。今回新設されたのが「④ 小規模売り手支援類型」です。4つの類型の概要は以下の通りです。

① 買い手支援類型:事業を譲り受ける(M&Aの買い手となる)予定の中小企業等を支援するベースとなる類型です。

② 買い手支援 100億企業特例:買い手の中でも、将来の売上高100億円を目指してM&Aによる大胆な投資を進めようとする中小企業等を強力に支援する特例です(補助上限額が最大2,000万円となります)。

③ 売り手支援類型(従来類型):事業を譲り渡す(M&Aの売り手となる)予定の中小企業等を支援する、従来からあるベースの類型です。

④ 小規模売り手支援類型(15次公募で新設)事業を譲り渡す予定の小規模事業者等に特化して支援する類型です。

※上記類型の補助金額や補助率については、第5章の「専門家活用枠 各類型の比較表」で詳しく説明していますので、ご覧ください。

2.3 手数料負担を軽減し、円滑なM&A環境を整備

小さな会社やお店がM&A(第三者への事業引継ぎ)を進める際には、FAや仲介業者などの専門家に支払う手数料が大きな負担になりがちです。そこで小規模類型では、補助対象経費の3分の2以内を補助し、補助下限額も設けないことで、少額の費用からでも申請しやすくしました。これにより手数料負担を抑え、小規模事業者がより円滑にM&Aに取り組める環境づくりを目指したのです。

第3章:小規模類型の対象者

小規模類型の対象となるには、以下の①の従業員数の基準を満たし、かつ②の適用除外要件に該当しないことが必要です。なお、従業員数が①の基準を超えてしまう場合でも、②の適用除外要件に該当していなければ、従来類型を活用して補助金申請することが可能です。

① 従業員数の基準(以下のいずれかを満たすこと)

  • 製造業その他:従業員の数が20人以下の会社及び個人事業主
  • 商業(卸売業・小売業)・サービス業:従業員の数が5人以下の会社及び個人事業主
  • サービス業のうち宿泊業・娯楽業:従業員の数が20人以下の会社及び個人事業主

② 適用除外要件(以下のいずれかに該当する場合は、全類型で対象外)

  • 資本金又は出資金が5億円以上の法人に、直接又は間接に100%の株式を保有されている
  • 確定している(申告済みの)直近3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えている
  • みなし大企業(大企業の子会社等)である
  • みなし同一法人(親会社と子会社、代表者が同じ複数の法人など)に該当し、かつグループ内の別の法人が本補助金に申請している、または申請する予定である(※本補助金を利用できるのはグループ内で1社のみです)
  • NPO法人、医療法人、社会福祉法人、一般社団・財団法人などの特定の法人・団体である

第4章:従来類型と小規模類型を使い分ける判断基準

4.1 最適な類型をどう選ぶ?

小規模事業者の要件を満たしている方は、新設の小規模類型と従来類型のどちらの要件も満たすことになりますが、同一公募回で両方に重複して申請することはできません。そのため、想定される専門家費用やDDの実施有無、廃業費用の見込みなどを比較検討し、自社にとって最適な類型を1つ選んで申請することになります。 判断にあたっては以下のチェックリストを参考にしてみてください。

判断チェックリスト

Step1.想定する専門家費用の総額はいくらですか?

約675万円〜900万円以上(補助額が小規模類型の上限450万円を超える見込み)

数十万円〜675万円未満(補助額が確実に450万円に収まる見込み)

Step2.デュー・ディリジェンス(買収監査)を自社(売り手側)で手厚く実施し、高額なDD費用がかかる見込みですか?

はい(上限+200万円の上乗せ枠が欲しい)

いいえ

Step3. M&Aに伴う事業の一部廃業に、約225万円〜300万円を超える費用がかかりそうですか?

はい(小規模類型の上限150万円を超える廃業費の補助を受けたい)

いいえ(廃業経費は確実に225万円以内に収まる、または廃業の予定はない)

4.2 デュー・ディリジェンス費用の扱いについての注意点

従来類型にはDD費用に特化した最大200万円の上乗せがありますが、小規模類型には上乗せがありません。ただし、小規模類型でDD費用が補助対象外になるわけではなく、補助上限額(450万円)の範囲内であればDD費用を計上することは可能です。専門家費用の総額が上限内に収まるなら、小規模類型も選択肢となります。

第5章:専門家活用枠4類型の比較

専門家活用枠の各類型の補助率や金額、補助対象経費区分を一覧表で整理しました。

【専門家活用枠 各類型の比較表】
類型 補助率 補助上限額 補助下限額 DD費用の上乗せ 廃業費の上乗せ
小規模売り手支援類型(新設) 3分の2以内 450万円以内 なし なし(※枠内で計上可。実施は任意) +150万円以内
売り手支援類型(従来類型) 2分の1 又は赤字等の要件を満たす場合は3分の2以内 600万円以内 50万円 +200万円以内 +300万円以内
買い手支援類型 3分の2以内 600万円以内 50万円 +200万円以内 +300万円以内
買い手支援 100億企業特例 1,000万円以下の部分は2分の1、1,000万円超2,000万円までの部分は3分の1 2,000万円以内 50万円 なし(※枠内で計上可。DD実施必須) +300万円以内
  • 小規模類型と従来類型の違い:従来類型で補助率3分の2が適用されるには赤字などの要件がありますが、小規模類型なら業績に関わらず補助率は一律3分の2です。さらに、小規模類型は補助下限額(従来50万円)がないため、少額の専門家費用からでも申請できます。
【専門家活用枠の主な補助対象経費】
経費区分 概要と具体例
委託費 M&A仲介会社やFAなどに支払う着手金、成功報酬、企業価値算定費用、DD費用など
謝金 専門家(士業等)に相談・助言を依頼したときの費用
旅費 M&Aの相談や打合せのために必要な出張費
外注費 業務の一部を第三者に外注(請負)するために支払われる経費
システム利用料 M&Aの相⼿を探すためのマッチングサイトなどの利⽤料
保険料 M&Aに関連して加入する保険(表明保証保険等)の費用

※ 申請する類型(買い手側、売り手側)や、補助事業期間内にM&Aが成約したかどうかによって、実際に計上できる経費の範囲や細かい条件が異なる場合があります。

出典:事業承継・M&A補助金の特設サイトに掲載されている「小規模売り手支援類型 ガイドブック(15次公募)」

第6章:小規模類型の審査項目と加点項目

小規模事業者の定義を満たす会社やお店(商業やサービス業の場合は常時使用する従業員が5名以下)が小規模類型に申請する場合、どのような観点で審査されるのでしょうか。採択に有利に働く主な加点項目とあわせて押さえておきましょう。

6.1 審査の着眼点

提出した申請書類をもとに、事務局及び外部有識者による審査委員会が以下の着眼点で審査を行います。

  • 譲渡の目的・必要性:なぜM&Aによる事業引継ぎが必要なのかが明確であること。
  • 計画の適切性:経営資源引継ぎの計画が、補助事業期間内に適切に取り組まれるものであること。
  • 譲渡による効果・地域経済への影響:そのお店や事業が引き継がれることで、地域の雇用の維持や新たな需要の創造など、地域経済にどのような良い影響をもたらすか。

6.2 採択に有利になる主な加点項目

以下の要件に当てはまる場合、審査において加点され、採択されやすくなります。自社が既に取得・該当しているものがないか確認してみましょう。

  • 各種認定・承認等を受けていること
    • 経営力向上計画、経営革新計画、先端設備等導入計画のいずれかの認定
    • 承認事業継続力強化計画(連携含む)の認定
    • 健康経営優良法人の認定
    • 「えるぼし認定」や「くるみん認定」などワーク・ライフ・バランス推進の取り組み
  • 適切な会計ルールの適用:中小企業の会計に関する基本要領または中小企業の会計に関する指針の適用を受けていること。
  • その他:地域未来牽引企業の選定、サイバーセキュリティお助け隊サービスの利用など。

第7章:M&A支援機関登録制度に登録された専門家の利用が必須

専門家活用枠において、委託費としてFAや仲介業者に支払う費用を申請する場合、国が設けている「M&A支援機関登録制度」に登録されている専門家を利用することが必須です。未登録の専門家へ支払った費用は補助されません。なお、財務や法務等のDDのみを依頼する士業等の専門家については、同制度への登録を要するものではありません。

出典:M&A支援機関登録制度に関する公式サイトに掲載されている「M&A支援機関登録制度について」

第8章:よくある質問

【小規模類型】M&Aがもし成立しなかった場合、補助金はどうなりますか?

小規模類型で申請していた場合、補助上限額は50万円に減額されますが、支払ってしまった着手金やシステム利用料などを補助対象として計上することが可能です。M&A不成立時のリスク軽減にも役立ちます。

【全枠共通】専門家への報酬は、現金などで支払っても補助対象になりますか?

対象外です。補助対象経費の支払いは補助事業者名義の口座からの銀行振込またはクレジットカード1回払いのみと指定されています。現金引き出しによる支払いや、手形・小切手等での支払いは補助対象として認められませんのでご留意ください。

第9章:広がる事業存続の可能性

これまで「M&Aは大企業のもの」「専門家費用が高額で手が出ない」と諦めていた小さな会社やお店にとって、15次公募で新設された小規模類型は、事業存続の可能性を大きく広げる制度です。少額の専門家費用からでも申請でき、手厚い補助率(3分の2)が適用されることで、資金面のハードルが大きく下がりました。
長年大切に育ててきた事業や屋号、従業員の雇用を次世代へ残すためにも、M&Aを現実的な選択肢の一つとして、前向きに検討する契機となるのではないでしょうか。早期に選択肢を広げておくことが、納得のいくより良い事業引継ぎへと繋がるはずです。

とはいえ、何から始めればいいか分からないという方も多いのではないでしょうか。そんな時は一人で抱え込まず、まずは全国47都道府県に設置されている公的機関「事業承継・引継ぎ支援センター」など、中立的な立場でアドバイスをくれる無料の相談窓口を活用して、最初の一歩を踏み出してみることをおすすめします。

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