専門家・企業ブログ

補助金・助成金

bizrize

2025.03.07

小規模事業者持続化補助金【第17回】の採択事例や申請方法を徹底解説

「販路拡大のために広告費を使いたい」「業務効率化のために設備投資をしたい」
そんな小規模事業者を強力に支援する人気の補助金が、第17回公募を開始しました!

建物改修、設備投資、広告宣伝費など幅広い経費に活用できるため、毎回多くの事業者が申請するこの補助金。採択を勝ち取るには、適切な申請書の作成と審査ポイントを押さえることが重要です。

本記事では、申請の流れや採択のコツ、注意点を徹底解説!今回の公募でどのような準備をすればよいのか、分かりやすくご紹介します。

小規模事業者持続化補助金とは?

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や業務効率化のための取り組みを支援する補助金で、全国の小規模事業者が活用できる人気の制度です。商工会議所や商工会のサポートを受けながら申請できるため、初めて補助金を利用する方でも挑戦しやすいのが特徴です。

この補助金の魅力は、幅広い経費に使えること。具体的には、以下のような事業に活用できます。

  • 広告宣伝費(ホームページ制作、チラシ・パンフレット作成、Web広告 など)
  • 設備投資費(新規機械の導入、ICTツール導入 など)
  • 建物改修費(店舗改装、バリアフリー化 など)
  • 展示会出展費(出展料、会場装飾費 など)
  • 業務効率化に関する費用(クラウドシステム導入、人件費の一部 など)

補助額は 最大250万円(補助率2/3または3/4)と手厚く、売上アップや業務効率化を目指す事業者にとって非常にメリットの大きい制度です。

小規模事業者持続化補助金第17回の概要

小規模事業者持続化補助金【第17回】には、「一般枠」と「創業枠」の2つの枠が設けられています。それぞれの枠は、対象となる事業者の状況に応じて補助内容が異なりますので、どちらが自分に合った枠なのかを理解することが大切です。

  • 一般枠:既に事業を営んでいる小規模事業者を対象に、販路開拓や業務効率化などの取組を支援する枠です。特に事業の拡大や生産性向上を目指す方に適しています。
  • 創業枠:創業間もない事業者や新たに事業を立ち上げようとしている方を対象にした枠です。事業の初期段階での販路開拓や設備投資を支援します。

小規模事業者持続化補助金第17回のスケジュール

小規模事業者持続化補助金【第17回】の申請スケジュールは以下の通りです。前回と違い非常に余裕のあるスケジュール感となっています。

一般枠・創業枠

  1. 公募要領公開  :2025年 3月 4日(火)
  2. 公募申請受付開始:2025年 5月 1日(木)
  3. 公募申請受付締切:2025年 6月13日(金)17:00

※予定は変更する場合があります。
支援機関確認書(様式4)発行の受付締切:2025年6月3日(火)

補助金申請の流れ

補助金を付け取るまでの流れは下記の通りです。今回、採択後に「見積書等の提出」という項目が追加されています。これは実質的な交付申請が導入されたととらえられると思います。

1. GビズIDプライムのアカウントを取得(電子申請の場合)

2. 商工会・商工会議所へ事業支援計画書(様式4)の発行依頼

地域の商工会・商工会議所から事業支援計画書の発行を受けます。
【発行受付締切:2025年6月3日】

3. 申請書類の提出

申請書類を提出します。
【申請受付締切:2025年6月13日 17:00

4. 採択

審査の結果、採択が決定されると補助金事務局から「採択通知書」が送付されます。

5. 見積書等の提出

入手価格の妥当性を証明できる見積書を提出します。

6. 交付決定

審査の結果、補助金事務局から「交付決定通知書」が送付されます。交付決定通知書に記載の交付決定日から補助事業を開始できます。

7. 実績報告書の提出

補助事業の終了後、実績報告書および経理書類を提出します。

8. 補助金額の決定

9. 補助金の請求

10. 補助金の交付

11. 事業効果報告書の提出

補助事業の終了後から1年後の状況について、報告書を提出します。

申請枠の特徴と補助金額

小規模事業者持続化補助金第17回には、「一般枠」と「創業枠」の2つの申請枠が設けられています。それぞれの枠には、補助金の金額や対象経費が異なり、事業者の状況に応じた支援が提供されます。

一般枠 │既存事業者向け

  • 補助金額 最大250万円

    補助上限:50万円
    ※インボイス特例対象事業者は、上記金額に50万円の上乗せ
    ※賃金引上げ特例対象事業者は150万円の上乗せ
    ※両特例対象事業者は200万円の上乗せ
  • 補助率

    一般の事業者:2/3
    ※赤字事業者の場合、賃金引上げ特例を適用すると3/4になる

創業枠 – 新規事業者向け

  • 補助金額

    補助上限:200万円
    ※インボイス特例対象事業者は、上記金額に50万円の上乗せ
  • 補助率

    一般枠と同様に、2/3

創業枠のPOINT

創業枠の要件って?

産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した 「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を 受けた日および開業日(設立年月日)が公募締切時から起算して過去3か年の間 であること。

特定創業支援等事業を受けてないと申請できないの?

はい、特定創業支援等事業を受けていないと申請できません。

創業枠の申請には、産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」や「認定連携創業支援等事業者」からの支援を受けたことが必須要件です。創業枠への申請を検討中の方は早めに取り掛かるようにしましょう。

対象経費は?

具体的にどのような経費が対象になるのかを解説します。

1.機械装置等費

単なる取替え更新の機械装置等の購入は補助対象外です。

対象となる経費例

  • 高齢者・乳幼児連れ家族の集客力向上の ための高齢者向け椅子・ベビーチェア  
  • 衛生向上や省スペース化のためのショー ケース 
  • 生産販売拡大のための鍋・オーブン・冷凍 冷蔵庫  
  • 新たなサービス提供のための製造・試作機械(特殊印刷プリンター、3Dプリンター含 む)
  • 自動車等車両のうち「減価償却資産の耐 用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省 令第15号)」の「機械及び装置」区分に該 当するもの(例:ブルドーザー、パワーショ ベルその他の自走式作業用機械設備)

2.広報費

単なる会社のPRや 営業活動に活用される広報費は、補助対象外です。

対象となる経費例

  • チラシ・カタログの外注や発送 
  • 新聞・雑誌等への商品・サービスの広告 
  • 看板作成・設置  
  • 試供品(販売用商品と明確に異なるもの である場合のみ)  
  • 販促品(商品・サービスの宣伝広告が掲 載されている場合のみ) 
  • 郵送による DM の発送  
  • 街頭ビジョンやデジタルサイネージ広告 への掲載

3.ウェブサイト関連費

ウェブサイト関連費は、補助金交付申請額の1/4(最大 50 万円)が、当経費の申請額の上限なので注意!

対象となる経費例

  • 商品販売のためのウェブサイト作成や更新
  • インターネットを介したDMの発送 
  • インターネット広告 
  • バナー広告の実施 
  • 効果や作業内容が明確なウェブサイ トの SEO 対策 
  • 商品販売のための動画作成  システム開発
  • 構築に係る経費(インターネッ トを活用するシステム、スマートフォン用のア プリケーション、業務効率化のためのソフトウ ェアなど)  
  • SNSに係る経費

4.新商品開発費

新商品の試作品や包装パッケージの試作開発にともなう原材料、設計、デザイン、製造、改良、加工す るために支払われる経費

対象となる経費例

  • 新製品・商品の試作開発用の原材料の購入 
  • 新たな包装パッケージに係るデザイン費用

5.委託・外注費

改装費用やキッチンカー改修などはこの経費に該当します。

対象となる経費例

  • 店舗改装
  • バリアフリー化工事 
  • 利用客向けトイレの改装工事 
  • 製造・生産強化のためのガス・水道・排気工事  
  • 移動販売等を目的とした車の内装・改造工事
  • 従業員の作業導線改善のための従業員作業スペースの改装工事  
  • インボイス制度対応のための取引先の維持・ 拡大に向けた専門家(税理士、公認会計士、 中小企業診断士等)への相談費用

他にも展示会等出展費・旅費・借料が対象になります。

Point

対象外となるもの

自動車等車両(自動車・フォークリフト・キッチンカー・除雪車・キッチントレーラー など)

パソコン・事務用プリンタ ー・複合機・タブレット端末・WEBカメラ・ウェア ラブル端末・PC周辺機器(ハードディスク・LAN・Wi-Fi・サーバー・モニター・スキャナー・ル ーター、ヘッドセット・イヤホン等)

採択事例をご紹介

小規模事業者持続化補助金は建物改修、設備投資、販売促進と幅広い用途に使えることが特徴です。ここでは採択事例をご紹介いたします。自分のしたいことが当てはまるかを確認するには採択結果を参考にすることもおすすめです。

  • 駐車場新設による新規客と売上機会の創出
  • テイクアウトとオープンテラス設置による新規顧客獲得事業
  • パウダールーム(プライバシーサービス)の充実と販路開拓
  • 商談ルームで特注品受注拡大事業 
  • 新たな取り組み及びレストラン外観改修による新規顧客獲得
  • トイレ改修事業を通じた来店満足度の向上による顧客のファン化
  • 客室へのエアコン設置工事による売上増強
  • キッチンカーによるイベント出店で売上増加、新規顧客獲得
  • 焙煎器導入による新商品開発と販売
  • コンベクションオーブン導入による生産能力アップで売上強化
  • プレハブ型冷蔵庫導入による季節の地酒販売の強化
  • 新規顧客獲得の為のウェブページリニューアル及び地域広報事業 
  • 地域広報及びWEBサイト制作による当社の認知度向上事業
  • 新事業展開に向けた営業力およびPR強化のための販路開拓事業
  • 展示会出展で新販路開拓!福祉分野の製品開発で収益源の多様化!
  • 新商品の販促ツール作りによる新規顧客獲得事業

提出先は商工会と商工会議所どっち?

提出先は、商工会または商工会議所のいずれか、事業所が所在地として登録されている地域によって異なります。以下のように判断できます

提出先の決定方法

  1. 商工会
    • 商工会は、小規模事業者や農林水産業関連の事業者が主に対象となります。
    • 提出先が商工会になる場合、事業所が町村部や小規模な地域に所在する場合が多いです。
  2. 商工会議所
    • 商工会議所は、都市部や中小企業から大企業まで広範な事業者を対象にしています。
    • 事業所の所在地によって判断し、対象の商工会または商工会議所に申請書類を提出するようにしましょう。

どちらに提出するかの確認方法

  • 商工会や商工会議所に関する情報は、それぞれの公式ウェブサイトや地域の商工会(商工会議所)の担当者に確認することができます。
  • 事業所の所在地によって判断し、対象の商工会または商工会議所に申請書類を提出するようにしましょう。

小規模事業者持続化補助金申請の流れ

1. 創業型の場合は特定創業支援等事業の受講

創業型枠で申請を考えている場合、まず「特定創業支援等事業」を受ける必要があります。これを受けることで、認定市区町村または認定連携創業支援等事業者からの支援を受けたことが確認され、創業枠への申請が可能になります。

2. G-Biz IDの取得

G-Biz IDは、補助金申請を行うために必要なIDです。オンラインで申請する際に使うため、事前に取得しておくことが求められます。どの補助金を使うにも必要なものになりますので早めに登録しておくのをおすすめします。

3. 事業支援計画書(様式4)の交付を受ける

商工会または商工会議所から、事業支援計画書(様式4)の交付を受けます。この計画書は、事業計画に基づいた補助金の申請内容を証明するものです。

様式4の交付締切は2025年6月3日(火)です。これを過ぎると取得はできませんので早めに準備をするようにしましょう。

4. 申請書類の提出

  • 申請書類は、商工会または商工会議所を提出先として提出します。提出先は、事業所の所在地によって決まります。
  • 提出方法はオンラインでの申請が一般的ですが、郵送で提出が必要な場合もあります。提出方法については、事前に確認しておきましょう。

まとめ

小規模事業者持続化補助金は、店舗改修、設備投資、販路開拓など、さまざまな事業活動を支援するための大切な資金調達手段です。初めてでも挑戦しやすく小規模事業者が活用しやすいため、人気の補助金です。今回は締め切りまで余裕がありますが、早め早めに準備をしておくことが大切です。

事業計画書の作成や提出書類に不安がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。弊社では、小規模事業者持続化補助金の申請をサポートしております。申請から採択まで、しっかりとバックアップいたしますので、気軽にご相談ください。

▼BizRizeでは、無料相談を行っております!▼

▼補助金情報を毎週お届け!無料メルマガ配信中です ▼

BizRize事務局

ヒト・モノ・カネに関する経営資源を、効率よく活用できるプラットフォーム「BizRize」を運営。毎週木曜に経営者向けの勉強会を開催し、補助金や資金調達に役立つ情報を無料メルマガで配信中!

専門家・企業ブログ