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補助金・助成金

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2025.02.25

新事業進出補助金とは?補助額・対象経費・申請の流れを詳しく解説【最新版】

新事業進出補助金は、事業再構築補助金の後継として、令和6年度補正予算で新設された注目の補助金です。本ブログでは、その概要、補助額、対象経費、申請の流れ、事業再構築補助金との違いについて詳しく解説します。

新事業進出補助金とは?

新事業進出補助金は、中小企業・小規模事業者が新たな市場や高付加価値事業への進出を支援するために創設された補助金です。企業の成長・拡大を促進し、生産性向上や賃上げにつなげることを目的としています。

POINT

事業再構築補助金の後継として1,500億円の予算が組まれている注目の補助金です。

(参考:中小企業庁令和6年度補正予算・令和7年度当初予算関連より

補助額と補助率

補助額と補助率は、企業の従業員数や賃上げの取り組みに応じて異なります。事業再構築補助金と同じく金額は高めの補助金になります。以下に、従業員数別の補助上限額を示します。

従業員数通常の補助上限額大幅賃上げ特例適用時の補助上限額
20人以下750万円~2,500万円3,000万円
21~50人750万円~4,000万円5,000万円
51~100人750万円~5,500万円7,000万円
101人以上7750万円~7,000万円9,000万円
補助率は一律で1/2となっています。

大幅賃上げ特例を適用するには、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 事業終了時点で、事業場内最低賃金を年額50円以上引き上げること。
  2. 給与支給総額を年平均6%以上増加させること。

これらの要件を達成することで、補助上限額が引き上げられます。

注意

交付決定額の減額により、補助金額が補助下限額(750万円)を下回ることとなった場合は、採択取消となります。1,500万円よりも少し余裕のある投資内容にしておくのが安心です。

補助対象経費

新事業進出補助金で補助対象となる経費は以下のとおりです。
建物費・広告費と用途が幅広いのも特徴です。

機械装置・システム構築費と建物費はかならずどちらかを申請に含めなければなりません。

補助対象となる経費

  • 機械装置・システム構築費
  • 建物費
  • 運搬費
  • 技術導入費
  • 知的財産権等関連経費
  • (検査・加工・設計等に係る)外注費 ※補助上限額:補助金額全体の 10%
  • 専門家経費 ※補助上限額:100万円
  • クラウドサービス利用費
  • 広告宣伝・販売促進費 ※補助上限額:事業計画期間1年あたりの売上高見込み額(税抜き)の5%

ちょこっと豆知識

当初公開のチラシでは、建物費から書き始めていましたが、公募要領公開後機械装置が1番に来る並びに変更になっています。

(公式チラシより)

公募スケジュール

公募開始:令和7年4月22日(火)
申請受付:令和7年6月頃(予定)
応募締切:令和7年7月10日(木)18:00
補助金交付候補者の採択発表:令和7年10月頃(予定)
補助事業実施期間: 交付決定日から14か月以内
(ただし、補助金交付候補者の採択発表日から16か月後の日まで)

基本要件は?

中小企業が、下記の要件を満たす必要があります

  1. 新事業進出要件
    新事業進出指針に示す「新事業進出」の定義に該当する事業であること
  2. 付加価値額要件
    付加価値額(又は従業員一人当たり付加価値額)の年平均成長率が4.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること
  3. 賃上げ要件 【目標値未達の場合、補助金返還義務あり】
    ・一人当たり給与支給総額の年平均成長率を、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間(令和元年度を基準とし、令和2年度~令和6年度の5年間をいう。)の年平均成長率(以下 「一人当たり給与支給総額基準値」という。)以上増加させること
    ・給与支給総額の年平均成長率を2.5%(以下 「給与支給総額基準値」という。)以上増加させること
  4. 事業場内最賃水準要件【目標値未達の場合、補助金返還義務あり】
    毎年、事業所内最低賃金が補助事業実施場所都道府県における地域別最低賃金より30円以上高い水準であること
  5. ワークライフバランス要件
    次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表していること
  6. 金融機関要件
    金融機関等から資金提供を受ける場合は、資金提供元の金融機関等から事業計画の確認を受けていること
  7. 賃上げ特例の適用を希望する場合は大規模な賃上げ計画の妥当性
    ① 大規模な賃上げの取組内容が具体的に示されており、その記載内容や算出根拠が妥当なものとなっているか。② 一時的な賃上げの計画となっておらず、将来にわたり、継続的に利益の増加等を人件費に充当しているか。

申請に向けた流れ

1. 事前準備
GビズIDプライムの取得:電子申請にはGビズIDプライムが必要です。未取得の場合は早めに申請しておきましょう。オンラインで即日発行も可能です。アカウント作成はこちら

見積書の準備公募が始まっていざ計画書を書きたいと思っても見積書が揃わなくて申請が間に合わなかったということもよくあります。今回の申請では最低投資金額もありますので採択後すぐに提出できる形に固めてから申請しましょう。また採択後の経費の変更はできませんので注意!

専門家探し
公募前から申請について相談にのってくださる専門家もいらっしゃいます。公募開始後にすぐに取り掛かれるように専門家に頼む際は早めに探して相談をしておきましょう。
2. 公募開始・申請書類の作成
公募開始後、最新の公募要領を確認し、必要書類を準備します。公募要領を読み込み、申請に必要な要件や審査項目を網羅するよう計画書を作成します。
3. 電子申請
申請は「jGrants」を通じてオンラインで行います。必要書類をすべて揃えた上で、締切までに提出しましょう。
4. 審査・採択
提出後は書類審査が行われ、審査基準に基づき採択が決定されます。採択結果は公式サイトで公表され、採択者には通知が届きます。
5. 交付申請
採択された内容の通りに見積依頼書・見積書・設計図・カタログ・仕様書などを揃えて提出します。審査には1~3ヵ月程度かかり、交付決定がでてからの発注となりますので、納品が事業完了期限までに終わるように採択後できるだけ速やかに提出を行うことが大切です。
6. 事業実施・実績報告
交付決定後ついに発注・納品・支払いを行います。事業終了後、補助金の支給を受けるために実績報告を行います。経費証拠書類を正確に揃え、報告内容に漏れがないように申請します。
7. 清算払い請求・入金
実績報告の審査後、確定通知が発行されます。その後清算払い請求で振込先の通帳等を申請し、入金となります。
8. 事業化状況報告
補助金受領後も一定期間、事業の実施状況に関する報告が求められます。必ず報告をするようにしましょう。
Point

公募開始から締切までの期間は限られているため、早めの準備が重要です。事業再構築補助金の後継補助金ではなりますが、事務局の変更もあり、公募内容が変更になる可能性もあります。加点項目などに申請から時間がかかるものもありますので、お早目の準備をおすすめしております。

審査で有利になる「加点項目」まとめ

新市場進出補助金では、以下の条件を満たす事業者には審査時に一定の加点がなされます。ある程度加点を皆さん狙ってきますので、行わない場合マイナスになることも。
対象となる加点項目は、応募締切日時点で達成している必要があるため、事前確認と対応が必須です!

① パートナーシップ構築宣言加点

パートナーシップ構築宣言ポータルサイトにて、宣言を公表している事業者が対象。
下請け企業との共存共栄を掲げる企業に対する加点です。


② くるみん加点

「トライくるみん」「くるみん」「プラチナくるみん」の認定を受けている企業。
(厚生労働省「両立支援のひろば」にて確認可能)
➡ 子育て支援に積極的な企業として評価されます。


③ えるぼし加点

「えるぼし(1〜3段階)」または「プラチナえるぼし」の認定を受けている企業。
(厚労省「女性の活躍推進企業データベース」に掲載)
➡ 女性活躍推進に取り組む企業に加点。


④ アトツギ甲子園加点

中小企業庁主催の「アトツギ甲子園」のピッチ大会に出場した実績がある事業者が対象。


⑤ 健康経営優良法人加点

経済産業省が認定する「健康経営優良法人2025」に認定されている事業者。


⑥ 技術情報管理認証制度加点

技術情報管理に関する公的認証制度(例:SECURITY ACTION等)の認証を受けている事業者。


⑦ 成長加速化マッチングサービス加点

成長加速化マッチングサービスに会員登録を行い、かつ「挑戦課題」を登録している事業者。


⑧ 再生事業者加点

中小企業活性化協議会などから再生支援を受け、以下のいずれかに該当する事業者:

  • 現在、再生計画等を策定中
  • 再生計画が策定済みで、応募締切日から遡って3年以内に成立等している

※対象となる再生支援の詳細については、補助金公式要領に定めあり。


⑨ 特定事業者加点

補助金要領に定める「特定事業者」の一部に該当する企業。
例:中小企業基本法に定める特定業種に属する、特定地域に所在するなど。

\ 過去に補助金を利用したことがある方は必ずチェック /

注意

減点項目

① 加点項目要件未達事業者

 中小企業庁が所管する補助金※1 において、賃上げに関する加点を受けたうえで採択  されたにもかかわらず、申請した加点項目要件を達成できなかった場合

②過剰投資の抑制

 特定の期間に、類似のテーマ・設備等に関する申請が集中してなされている場合には、一時的流行による過剰投資誘発の恐れがあるため、別途審査を行います

③他の補助事業の事業化が進展していない事業者

 過去に以下の補助金を受給している場合、当該補助金による補助事業の、直近の事業化状況報告等における事業化段階が3段階以下である場合は、減点を行います。
・新事業進出補助金
・事業再構築補助金
・ものづくり補助金

まとめ

新事業進出補助金は、中小企業・小規模事業者が新たな市場に挑戦するための強力な支援策です。

補助金を活用するためには、GビズIDの取得や事業計画の作成、申請書類の準備を早めに行い、スケジュールを意識して申請に臨みましょう。加点項目には申請から取得まで時間のかかるものもございますので早めに着手するのがおすすめです!

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