
国(経済産業省 資源エネルギー庁)の補助事業として、一般財団法人 省エネルギーセンターが実施する令和8年度の省エネ最適化診断および無料講師派遣の申込が受付中です。本事業は国が費用の大部分(約9割)を補助するため、事業者は大変安価に利用することができます。本記事では、その内容やメリットをご紹介します。
省エネ診断と運用改善で実現するコスト削減術についてのインタビュー記事も、ぜひご参照ください。
1.省エネは「売上アップ」に匹敵する効果
エネルギー価格の高騰が続く昨今、エネルギー利用のムダを見直すことは、企業の収益改善に直結します。たとえば、光熱費を30万円削減できれば、営業利益率2%の企業にとっては売上1,500万円の増加に相当します。このように、省エネは小さな改善でも経営インパクトが大きいのが特徴です。
省エネのプロフェッショナルによる診断を受けることで、費用をかけずにすぐ取り組める設定温度の見直しなどの運用改善から、高効率設備への更新といった投資改善まで、事業所の実情に合わせた幅広い視点での提案を受けることができます。
2.「1割負担」で受けられる省エネ最適化診断
2.1 3つのメニュー
本診断は国の補助事業のため、費用の約9割が補助され、大変安価に受診することが可能です。今年度からは、事業所のニーズに合わせて選べるよう、従来の「ベイシック診断」に加え、「データプラス診断」と「クイック診断」が新設され、より多様なニーズに対応できるようになりました。
- ベイシック診断:専門家を現地に派遣し、総合的な視点から行う基本となる診断です。対象となる事業者であれば、エネルギー使用量(施設の大小)に関わらず幅広く対応したメニューが用意されており、これから省エネ活動を始める企業から、すでに取り組んでおり、さらに課題を見つけたい企業まで、さまざまな段階におすすめです。
- データプラス診断(新設):スマートメーターのデータを活用し、30分単位で電力の動きを分析します。「設備の立ち上げが早すぎないか」「休日の不要な待機電力はないか」など、隠れたムダを洗い出したい事業者におすすめです。
- クイック診断(新設):小規模事業所(原油換算値の年間エネルギー使用量100kL未満が目安となる飲食店、理美容院、小規模ビルなど)向けのメニューです。後日の結果説明会を省略し、診断当日に改善提案を受けることができるため、手軽に受診できます。

(本記事で使用している図表の出典は、いずれも「省エネ・節電ポータルサイト」に掲載されているカタログ・パンフレットです)
2.2 対象となる事業者
省エネ最適化診断は、原則として以下のいずれかに該当する事業者が対象となります。
Ⅰ. 中小企業者(中小企業基本法に定める中小企業者)
ただし年間エネルギー使用量(原油換算値)が1,500kL以上の事業所の場合、以下の①または②に該当すると、中小企業であっても対象外となるため注意が必要です。
① 資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%の株式を保有される事業者(※出資元の法人が中小企業の場合は除く)
② 直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える事業者
※「みなし大企業」等であっても、エネルギー使用量が1,500kL未満の事業所であれば受診可能です。
Ⅱ. 会社法上の会社に該当しない事業者(社会福祉法人、医療法人、学校法人、NPO法人など)が運営しており、年間エネルギー使用量(原油換算値)が原則として100kL以上、1,500kL未満の工場やビルなど。
なお、100kL未満であっても、低圧電力、高圧電力もしくは特別高圧電力で受電している場合は受診可能です。
2.3 省エネ最適化診断 メニューと料金一覧
| 診断メニュー | サービス内容 | 年間エネルギー使用量目安 (原油換算) |
料金(税込) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| クイック診断 |
診断のみ ※説明会はありません |
100kL未満 | 9,460円 |
【新設】 ※説明会を希望する場合は「ベイシックA診断」を利用してください |
| ベイシックA診断 | 診断 + 説明会 | 300kL未満 | 12,760円 | |
| ベイシックB診断 | 診断 + 説明会 | 300kL以上~1,500kL未満 | 20,240円 | |
| 大規模診断 | 事前打合せ + 診断 + 説明会 | 1,500kL以上 | 30,470円 | |
| データプラスA診断 | 事前打合せ + 診断 + 説明会 | 300kL未満 | 16,170円 |
【新設】 スマートメーターデータ活用 |
| データプラスB診断 | 事前打合せ + 診断 + 説明会 | 300kL以上~1,500kL未満 | 23,760円 |
【新設】 スマートメーターデータ活用 |
2.4 結果説明会で改善ポイントを共有
ベイシック診断およびデータプラス診断では、診断結果をまとめた報告書の提出に加えて、専門家による結果説明会が原則として実施されます。この説明会では、経営層や担当者に対して、具体的な改善策や期待される効果が直接説明され、省エネ施策の実行に向けた理解促進を図ります。なお、説明会はオンライン形式での実施も可能です。
◆詳細・申し込みはこちら:省エネ最適化診断サービス内容 >
◆同業他社の成功事例が見つかる!「省エネ診断事例検索」はこちら:省エネ診断事例 >
2.5 深掘りしたい企業へ「ステップアップ診断」
省エネ最適化診断をすでに受診済みで、さらに詳細な省エネ改善に取り組みたいという事業所向けには「ステップアップ診断」がおすすめです。事業所の規模によらず一律19,690円(税込)で受診可能です。
必要があれば、計測会社によりデータ計測を行い、これまで気づかなかった無駄を可視化します(※計測作業そのものは無料ですが、配管内部を測るために新たにセンサー用の穴を開けるなど、受診する企業の設備自体に改造工事が必要となる場合の工事費等は自己負担となります)。
<受診条件>
ステップアップ診断を受けるには、以下の条件をいずれも満たす必要があります。
- 2022年度以降に省エネ最適化診断を受診していること
- 診断結果を、国の情報提供事業に利用することに協力できること

3.省エネ講習会向け 無料の講師派遣制度
業界団体、民間組合、自治体等が主催する省エネをテーマとした講習会や各種セミナー等に、専門家である講師を無料で派遣する仕組みもあります。事業者向けの省エネの進め方だけでなく、一般・学校向けの説明など幅広い内容に対応しており、主催者側に環境があればオンラインでの実施も可能です。
- 費用について:講師の謝礼、交通費、宿泊費などは不要です。ただし、会場費、必要機材費、資料の印刷費などは主催者負担です。
- 対象となるケース:複数の企業や組織から受講者を募るセミナーなどで、原則として出席予定人数が10名以上であること。単独企業が主催するセミナーや社内研修、受講者から参加料を徴収するイベントなどは対象外です。
◆詳細・申し込みはこちら:省エネ支援サービス 無料講師派遣 >

4.問い合わせ窓口
本記事でご紹介した各サービスの詳細や、具体的な相談などについては、事業の実施機関である一般財団法人 省エネルギーセンターの各事務局へお問い合わせください。
受付時間:10:00~12:00、13:00~17:00(土曜、日曜、祝日を除く)
- 省エネ最適化診断について
省エネルギーセンター 省エネ診断事務局
TEL: 03-5439-9732 / E-mail: ene@eccj.or.jp
- ステップアップ診断について
省エネルギーセンター ステップアップ診断事務局
TEL: 03-5439-9733 / E-mail: stepup@eccj.or.jp
- 無料講師派遣について
省エネルギーセンター 講師派遣事務局
TEL: 03-5439-9716 / E-mail: ene-haken@eccj.or.jp
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