
中国での安定したキャリアを経て、幼少期からの憧れであった芸術の世界へと転身した女性がいます。CCN株式会社の代表を務める王軍娜(ワン・ジュナ)氏です。
彼女が手がけるのは、国境を超えた美のプロデュースです。中国の優れた芸術家たちが日本の舞台で輝けるよう、言葉や文化の壁を取り払い、作品を通じて心を通わせる場を創造しています。異国の地、福岡で起業し、日中のアートシーンを繋ぐ彼女の哲学と挑戦に迫ります。
安定を捨てて、心震える仕事へ
王氏は大学で経営学を学び、不動産や商社など様々な業界に身を置きましたが、キャリアの主軸は金融機関での業務でした。金融機関で約7年にわたり実務経験を積み、数字と向き合う日々を送っていました。周囲から見れば順風満帆なキャリアを築いていましたが、彼女の心には常に埋められない空白があったといいます。
幼い頃から絵を描くことや音楽に親しんできた彼女にとって、芸術への憧れは消えることのないものでした。人生は一度きりだと一念発起した彼女は、アート業界への転身を決意し、2016年から中国国内で展示会の企画運営に携わるようになります。


撤退を乗り越え、福岡で咲かせた起業の志
転機となったのは、中国に本社を置く企業の日本法人設立プロジェクトでした。王氏は福岡支社設立準備の一環として来日し、福岡営業所の責任者に就任。日本における美術品や古美術品市場の調査、および事業可能性の検証という重責を担うことになりました。
約3年間にわたり精力的に調査を続けましたが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、中国本社は日本事業を継続しないという判断に至ります。
当時、中国への帰任という選択肢もありました。しかし、彼女は日本での生活や文化、そして何より日中アート交流の可能性に強い意義を感じていました。自身の責任においてこの事業を継続したい——その強い想いから、福岡に残る道を選びます。
そして2023年3月、CCN株式会社を設立しました。当初は手探りの日々でしたが、中国のアート業界で培った人脈と、作家たちの想いを預かっているという責任感が、彼女を突き動かす原動力となりました。
言葉の壁を超え、作家の想いを届ける
CCN株式会社が展開するのは、芸術家たちが海外での展示という夢を実現するための包括的なサポートです。主な舞台となるのは、福岡市美術館や、格式高い画廊です。
顧客となるのは、中国国内の画家やデザイナー、そして非物質文化遺産(無形文化遺産)の継承者たちです。彼らにとって、言葉も習慣も異なる日本で個展を開催することは容易ではありません。会場の手配から翻訳、設営、そして来場者とのコミュニケーションに至るまで、王氏は作家に寄り添い、彼らが創作と表現に集中できる環境を整えています。



これまでに手がけた展示会も実力派揃いです。
例えば、徐智(Xu Zhi)氏による『中国西部の美しい伝説』では、中国奥地の情景を美しく描き出し、多くの観客を魅了しました。また、趙成龍(Zhao Chenglong)氏の戯曲切り紙は、中国の伝統芸能と切り絵を融合させた精緻な作品であり、まさに人間国宝級の技術を日本の人々に届ける貴重な機会となりました。
単に場所を手配するのではなく、作家が作品に込めた魂を日本の人々に届ける手伝いをする。王氏の仕事は、国境を超えて人々の感性を繋ぐ翻訳者とも言えるでしょう。


アジアのアートハブとしての未来図
現在、王氏のもとには伝統的な切り絵細工から現代アートまで、多岐にわたる展示依頼が舞い込んでいます。彼女は、中国の優れた芸術を日本に紹介すると同時に、日本の文化をリスペクトした展示空間を作り上げることを大切にしています。言葉は完璧に通じなくとも、アートは国境を超えて人々の心を動かすことができると信じているからです。
今後は福岡を中心としつつ、将来的には大阪や東京での大規模な展示会開催も視野に入れています。また、個展だけでなく、複数の作家を集めたグループ展を企画し、より多様な中国アートの今を日本へ伝えていきたいと考えています。日本と中国、両国の文化の架け橋になることこそが、王軍娜氏の生涯のミッションなのです。
専門家プロフィール

王 軍娜
CCN株式会社 代表取締役
事業者情報
| 会社名 | CCN株式会社 |
| 代表者 | 代表取締役 王軍娜(オンゴンナ) |
| 連絡先 | 09073811777 |
| 事業内容 | イベント企画・マーケティング支援・各種デザイン制作・商品企画販売を行う総合クリエイティブ企業 |
| 住所 | 福岡市中央区今泉2-1-70 |

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