令和9年度の農林水産省概算要求は、「改正食料・農業・農村基本法」のもと、食料安全保障の確立と農林水産業の成長産業化に向けた大きな舵切りを示す内容となっています。今回の概算要求は、従来の生産農家や農業法人にとどまらず、IT、メカトロニクスメーカー、食品加工・製造業、物流・流通事業者、輸出商社、フードテック・スタートアップなど、幅広く一般企業が参入・連携できる支援プログラムが多数盛り込まれている点が特徴です。本記事では、農水省予算の全体像と、カテゴリー別の主要事業や支援内容を解説します。 第1章:食料システム全体の構造転換と生産性向上に重点 令和9年度の農林水産関係予算概算要求額(3兆1,377億円)のうち、成長投資や構造改革を重点的に後押しする枠組みとして「『強く豊かな日本』投資枠」に4,272億円が要求されています。今回の予算編成における重点方針として、食料安全保障の強化、農林水産業の持続可能な成長の実現、そして生産から加工、流通、消費、輸出に至る食料システム全体の構造転換と生産性向上が掲げられています。特に、資材高騰や労働力不足、物流の2024年問題などの構造的課題に対し