2026年版の「ものづくり白書」がこのほど公表されました。同白書のデータや関連資料を紐解くと、中小企業が置かれた現実や課題が明らかになります。同時に、それらを乗り越えるための手順も見えてきます。今年の白書の核心は、価格転嫁で原資を確保し、それをデジタルと人への投資につなげる好循環をどう構築するかにあります。本記事では、その循環を自社で回すための具体的な視点を整理します。 ものづくり白書 1999年に成立した「ものづくり基盤技術振興基本法」に基づく法定白書として、毎年国会に報告されている年次報告書です。経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省連名で作成されます。日本の製造業が直面する課題や政府の取組(第1部)、具体的な振興施策(第2部)で構成されています。 第1章:守りの要は価格転嫁と経済安全保障 今年の「ものづくり白書」は、日本の製造業が目指すべき大きな指針を示していますが、その前提となる足元の守りを固めるためには、経済産業省や中小企業庁が発する周辺の公式データなどに目を向ける必要があります。そこには、白書が警告する「様子見のリスク」の具体的な実態が