
脱炭素化に向けた取り組みは、もはや大企業だけのものではありません。環境省の令和7年度補正予算「脱炭素技術等による工場・事業場の省CO2化加速事業(Support for High-efficiency Installations for Facilities with Targets/通称:SHIFT事業)」は、「診断(DX型)」と「設備改修(省CO2型)」を段階的に活用できる設計が強化されており、「まずは小さく始めたい」と考える企業にも現実的な選択肢が広がっています。とくに、DX型(診断)の枠組みは中小企業等に限定されており、専門家の診断結果を活かして設備改修へとステップアップするルートは、審査でも優遇(加点)される大変有利な仕組みとなっています。 本記事では、SHIFT事業の仕組みや今やるべきことを分かりやすく解説します。
第1章:SHIFT事業の目的は?
SHIFT事業の正式名称は、「脱炭素技術等による工場・事業場の省CO2化加速事業」です。国が掲げる「2050年カーボンニュートラル」などの目標実現に貢献するため、エネルギー起源のCO2排出量がより少ない設備・システムへの改修を行う事業者を支援し、積極的な脱炭素化投資を国(環境省)が資金面で後押しする補助金制度です。
「脱炭素」と聞くとハードルが高く感じますが、本事業は民間企業の工場や事業場における先導的な事例を創出し、社会全体へ広げていくことを目的としています。大企業も活用できる一方で、中小企業等に向けては「専門家の知見を借りてゼロから対策を立てられる限定メニュー(DX型)」が用意されているため、これから脱炭素を本格化させたい企業にとっても非常に活用しやすい制度となっています。

第2章:自社はどちら?SHIFT事業の「簡易診断」
本事業には、大きく分けて「DX型」と「省CO2型」の2つのメニューが用意されています。まずは、自社がどちらを活用すべきかチェックしてみましょう。
2.1 簡易診断チェックリスト
- □ 自社は「中小企業等」に該当する(大企業ではない)
- □ 年間CO2排出量は50トン以上3,000トン未満だが、正確な無駄の所在が把握できていない
- □ まずは、あまりお金をかけずにできる運用改善から始めたい
→ 当てはまれば「DX型(企業の健康診断と生活習慣改善)」へ!専門家と二人三脚で診断を行い、DXシステムを導入してエネルギーを見える化し、運用改善を実践するステップです。
- □ 年間CO2排出量が50トン以上あり、既に削減計画があって老朽化したボイラー等を抜本的に更新したい
- □ 燃料転換や電化など、大規模な設備投資を検討している
→ 当てはまれば「省CO2型(外科手術による本格治療)」へ!工場・事業場単位で年間15%以上、または主要なシステム系統で年間CO2排出量を30%以上削減するという目標を掲げ、大規模改修を実施します。
なお、万が一、生産量増加などで目標未達となった場合でも即座に補助金返還とはなりませんが、事後報告にて理由や改善策の提示が求められます(6.1参照)。
2.2 ステップアップ活用がおすすめ
今年度はDX型で運用改善を行い、そのデータと削減計画を持って翌年以降に省CO2型の大規模改修へ進むという、中長期的な計画を描くのが理想的です。

【ここに注意】
- 同一設備での併願不可:今年度、全く同じ支援対象設備機器に対してDX型と省CO2型を併願(同時申請)することはできません。
- 排出量要件:どちらの型も「工場・事業場単位の年間CO2排出量が50トン以上」であることが大前提です。その上で、DX型には「3,000トン未満」という上限がありますが、省CO2型には上限がありません。大規模な工場等で3,000トン以上の排出がある場合は、要件を満たせば「省CO2型」へ直接申請することになります。
第3章:SHIFT事業の基本データ
3.1 対象となる事業者と「DX型」特有の必須要件
本事業はメニューによって対象者が異なります。「DX型」を活用できるのは中小企業のみです。なお、両メニューとも個人、個人事業主は補助対象ではありません。
- DX型:中小企業(※要件を満たせば医療法人、学校法人なども対象ですが、大企業は対象外です)
- 【重要:DX型の必須要件】 DX型に申請するには、あらかじめ、登録されている「支援機関(エネルギーの専門家)」の支援を受けることが必須要件となります。自社単独でDXシステムを導入するだけでは申請できません。
■本事業における「支援機関」とは?
SHIFT事業(とくにDX型)において、事業者の脱炭素化を専門的な知見からサポートするために、あらかじめ登録されたエネルギー専門家のことです。自社だけでは難しい工場・事業場の現状把握・データ分析から、削減余地診断、効果的な削減計画の策定、そして対策の実践までを二人三脚で伴走支援してくれる心強いパートナーとしての役割を果たします。支援機関リストは、SHIFT事業ウェブサイトに掲載されています。
- 【重要:DX型の必須要件】 DX型に申請するには、あらかじめ、登録されている「支援機関(エネルギーの専門家)」の支援を受けることが必須要件となります。自社単独でDXシステムを導入するだけでは申請できません。
- 省CO2型: 中小企業に加え、大企業を含む民間企業全般 (※ただし、事業を実施する工場・事業場が大企業に該当する場合、基準年度のCO2排出量について第三者機関の検証を受ける義務が追加されます)
なお、すべての申請者に共通する必須条件として、「直近2期の決算において連続の債務超過(純資産が2期連続マイナス)がないこと」が求められます。
3.2 補助率・補助上限額と補助対象経費
■ DX型(補助率3/4、上限200万円)
補助対象経費の具体例:
- 機器・システム関連費:DXシステムを導入するための機器購入費、運搬・調整・据付費、またはシステムレンタル・リース費。
- 業務費:支援機関へ支払う人件費、現地踏査等に関する通信交通費、計測機器取り付けなどを外部委託した場合の外注費、会議の会場借料費など。
- 特徴:DXシステムの導入(ハード面)だけでなく、支援機関への業務費(ソフト面)も幅広く対象になります。「プロによる診断+計画策定+システム導入」がパッケージ化されており、脱炭素化へ向けた第一歩として非常に手厚い支援です。
■ 省CO2型(補助率1/3。CO2排出削減量が4,000t-CO2/年 未満の場合=上限1億円、 同4,000t-CO2/年 以上の場合=上限5億円)
省CO2型において、上限額(1億円か5億円か)を決める基準となるCO2排出削減量は、以下の2つを合算して計算することができます。
① 補助金を使って導入するメイン設備による削減量
② 補助金を使わずに自社負担で行う「自主的対策(太陽光発電の導入や設備の補修など)」による削減量
※②を上乗せするかどうかは任意です。また、合算できる量には「メイン設備の削減量以下であること」などの一定の上限ルールが設けられています。
補助対象経費の具体例:
- 設備費・機械器具費:省CO2型システムへ改修するための設備機器本体の費用。
- 工事費:本工事費(材料費、労務費、直接経費、共通仮設費、現場管理費、一般管理費)、付帯工事費。
- その他:測量及び試験費など。
- 特徴:抜本的な設備改修に直結するハード面の経費が対象です。
第4章:採択を有利に!基礎審査と加点項目
4.1 省CO2型の基礎審査「削減目標設定」と「デコ活」
省CO2型では、「温室効果ガスの削減目標の設定」および「デコ活(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)応援団への参画・宣言」を満たすことが基礎審査項目に含まれています。採択の前提となるため、申請前に確実に行いましょう。

4.2 省CO2型には「加点項目」あり
以下の取り組みは加点対象となり、採択が有利になります。
- LD-Tech認証製品の導入:環境省が指定する省エネ性能の高い設備(産業・業務向け)を1機種でも導入すること。
- 脱炭素先行地域:補助事業を実施する工場・事業場の所在地が環境省の選定地域に該当すること。
- 専門家(支援機関)を活用した計画策定:過去にSHIFT事業(DX型等)を活用して削減計画を策定している、または今回の申請にあたって、登録された支援機関の支援を受けていること。
- 電力低炭素化の取り組み:自家消費の再エネ設備を工場・事業場全体の電力の10%以上導入している、または排出係数の低い(調整後排出係数0.25kg-CO2/kWh未満の)低炭素電力を契約していること(申請時の切り替えも対象。ただし、申請時の切り替えや導入実績が3年未満の場合は5年以上の継続契約が条件となり、切り替えの場合は更新前より排出係数が下がることも求められます)。
4.3 DX型の審査をクリアするための必須アクション
DX型は、単にシステムを買うだけの事業ではありません。審査を有利に進め、確実に採択を勝ち取るためには、支援機関と協力して以下のポイントを計画書にしっかり盛り込む必要があります。
目的を明確にする:現状の課題を分析したうえで、何を解決するために、どの範囲のデータを計測するのか、その目的と根拠をはっきり記載しましょう。
具体的な計画を立てる:どのような削減対策を、いつまでに実行するのか、実現可能な実施スケジュールを具体的に示しましょう。
モデル性を意識する:他の企業の参考になるような独自の取り組み(モデル性)を盛り込めると、さらに評価が高まります。
第5章:中小企業向け活用メリット
5.1 省CO2型では中小企業を「共同事業者」として共同申請可能
省CO2型の申請においては、登録された支援機関のサポートを受けて削減計画を練り上げるルート(※審査における加点対象となります)を選ぶことも可能ですが、さらに資金面における大きな魅力として、ESCO事業者(省エネ改修事業者)やリース会社等の協力を得て、自社を「共同事業者」とする共同申請スキームを選ぶこともできます。これにより、多額の初期投資が不要になります。
さらに、ルール上「補助金分は必ずリース料やESCOサービス料から減額すること」が定められているため、中小企業は本来のリース料やサービス総額から補助金分が確実に値引きされた(安い)月額料金を支払うだけで最新設備を導入できるという大きなメリットがあります。
5.2 【省CO2型】ESCOやリース会社等の相談相手はどう探す?
「省CO2型の共同申請を使いたいが、自社でゼロからESCO事業者を探して交渉するのはハードルが高い…」と不安に思うかもしれません。自分で探す場合は、一般社団法人 ESCO・エネルギーマネジメント推進協議会(JAESCO)のウェブサイトの会員検索を活用することもできますが、実務上は、SHIFT事業に登録されている支援機関(プロ)に伴走してもらい、自社に合った資金調達スキーム(投資回収計画)を組んでもらうか、設備メーカーやリース会社側から「SHIFT事業を活用した設備更新プラン」の提案を受けてタッグを組むのが現実的でスムーズな手順です。まずはこうした頼れる専門家(パートナー)を見つけることが、省CO2型の設備導入を成功させる近道になります。

5.3 補助金を受け取るのは誰?
ESCOやリースを活用して設備を導入する場合、メニューによって「代表事業者」と「補助金の受け取り手」の扱いが真逆になるため申請時には注意が必要です。
- 省CO2型の場合:リース会社やESCO事業者(設備の所有者)が「代表事業者」として補助金を直接受け取り、設備を導入する中小企業は「共同事業者」として共同申請します(※5.1で触れた通り、中小企業は現金の代わりにリース料やサービス料の値引きという形で実質的なメリットを受けます)。
- DX型の場合:DXシステムをリースで導入する場合でも、リース会社は代表事業者にも共同事業者にもなれません。DXシステムのリース料は単なる補助対象経費として計上し、設備を使用する中小企業が代表事業者となって申請を行い、自社の口座で直接補助金を受け取ります。ただし、建物を借りている場合は、建物の所有者が「共同事業者」となります。
【リース会社との関係まとめ】
省CO2型:リース会社が代表して補助金を受け取って、中小企業などへは月額リース料の値引きという形で実質的なメリットを提供する
DX型:中小企業が直接補助金を受け取って、その経費(リース料)の支払いに充てる
第6章:対象外となるケースと報告義務
6.1 【両メニュー共通】申請・採択後に注意すべき2つのポイント
①【対象施設に関する注意】社員寮などは対象外 SHIFT事業は、DX型・省CO2型のどちらも工場・事業場を対象とした補助金です。そのため、たとえ工場の敷地内にあったとしても、社員寮や社宅などは住宅とみなされるため、補助の対象範囲に含めることはできません。
②「治療後の経過観察」 3年間の報告義務と、目標未達時の対応 採択されて終わりではありません。両メニューともに、事業完了後3年間(翌年度~3年度目)のCO2排出削減効果等について、翌々年度から計3回にわたり事業報告書を提出する義務があります。
「もし計画通りに削減できず、目標未達だったら補助金を全額返還させられるのでは?」と不安に思うかもしれませんが、生産量の増大などやむを得ない事情で未達になったとしても、即座に返還等のペナルティが科されるわけではありません。この場合は、事業報告書に未達の理由を記載し、必要に応じて改善策の提示を行うことで対応可能です。報告や改善策の検討と聞くと大変そうと感じるかもしれませんが、DX型等でエネルギーを見える化し、管理体制を整えておくことが、まさにここで活きてきます。
6.2 【省CO2型特有】単純な高効率化はNG
設備を本格的に入れ替える省CO2型では、ボイラー等の蒸気システム、空調・給湯システム、工業炉、CGSにおいて、電化や燃料転換を伴わない純粋な設備の高効率化(単純な高効率化改修)は補助対象外となります。
- NG例:LNGから都市ガスへのボイラー転換などは、排出係数が変わらず排出源の抜本的な低炭素化にならないため対象外となります。また、既存のセントラル空調から最新のパッケージ空調への更新なども、燃料種が変わらない(単純な高効率化である)ため対象外です。なお、ルームエアコン等はそもそも家庭用機器とみなされるため補助対象外となります。
第7章:スケジュールと申請フロー
7.1 メニューで異なる!公募締切と事業完了までのタイムライン
本事業のスケジュールは、メニューによって締切日や回数が異なります。特に省CO2型には「一次」と「二次」があるため注意が必要です。
■ 公募のスケジュール
- 公募締切日:
- 省CO2型(一次公募): 令和8年5月13日 12時
- 省CO2型(二次公募)および DX型: 令和8年6月10日 12時
(※省CO2型の一次公募において、要件不備以外で不採択となった場合、二次公募を辞退しない限り、そのまま二次公募で再審査を受けることが可能です。)
■ 事業完了期日にも要注意!
両メニューともに、単年度事業の場合は遅くとも「翌年(令和9年)2月13日」までに事業を完了させなければなりません。補助金における事業完了とは、単に工事やシステムの導入が終わるだけでなく、業者からの納品・検収から費用の支払い(銀行振込等の完了)まですべて終わっている状態を指します。
7.2 今すぐやるべきことと注意点
GビズIDの取得とJグランツの準備
DX型、省CO2型ともに、原則として、電子申請システム「Jグランツ」を利用します。Jグランツを利用するにはGビズIDの取得が必要です。

支援機関への相談・相見積もり
DX型の場合は、プロとのマッチングが急務です。また、DX型の支援機関選びでも、省CO2型の設備導入でも、原則として「相見積もり(2者以上からの見積もり取得)」が必須要件となるため、各業者の選定と依頼は早めに動き出しましょう。
【DX型、省CO2型ともに要注意】契約・発注は交付決定後でなければ補助対象外になってしまう!
申請後、採択結果や交付決定を待ちきれずに、先行して設備業者や支援機関へ発注・契約をしてしまうと、その経費は交付規程に定める場合を除き、すべて補助金の対象外となってしまいます。補助事業の開始(契約締結・発注)は、必ず事務局から交付決定通知を受け取った後に行うようにしてください。
第8章:他社はどう活用している?
環境省のSHIFT事業に関するウェブサイトに掲載されている資料「CO₂削減事例集」には、過去の活用事例が紹介されています。実際に企業がSHIFT事業をどのように活用し、どのような成果を上げているのかを見てみましょう。
8.1 【省CO2型の事例】「蒸気設備の電化×太陽光」の統合運用モデル
- 事業者:みずほ東芝リース株式会社(代表)/ 株式会社巴川コーポレーション(共同・プラスチック製品製造業)
- 取り組み内容:空調や給湯に使っていたロスの大きい蒸気設備を、CO2排出量の少ない電気設備へ一新。さらに、電化によって増える電気代を「自家消費型太陽光発電」でカバーする仕組みを構築しました。
- 成果:約1,851万円の補助金を活用し、エネルギーコストを年間約664万円削減しました。
- 【ここがポイント!】共同申請スキームを活用した好例です。自社の初期投資負担を抑えながら、大規模な設備改修と再エネ導入を一気に実現しています。
8.2 【DX型の事例】データの「見える化」と運用改善でコスト削減
- 事業者:ミナト機工株式会社(金属製品製造業)
- 取り組み内容:DXシステムや各種センサー(サーモカメラ等)を導入し、これまで見えなかった工業炉の扉の開閉による温度低下やコンプレッサーのエア漏れをデータで可視化。特定したデータをもとに運用ルールを見直し、エア漏れの修繕といった小規模な改善と組み合わせて無駄を徹底的に排除しました。
- 成果:高額な設備の買い替え(大規模投資)は行わず、DXシステムによる可視化と運用改善等によってエネルギーコストを年間約128万円削減。作業環境の改善や設備の劣化抑制にも繋がりました。
- 【ここがポイント!】高額な設備を買い替えなくても、まずはDXシステムで「見える化」してPDCAを回すことで確実に成果を出せる、DX型の理想的な「診断・治療」のモデルケースです。

第9章:よくある質問
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設備をリースで導入する場合、申請の「代表事業者」は誰になりますか? DX型と省CO2型とも同じですか?
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メニューによって代表事業者の扱いが異なります。省CO2型においてESCO事業やリースを活用する場合、補助対象設備の所有者となる「ESCO/リース事業者等」が代表事業者となり、設備を導入する事業者は共同事業者として共同申請する必要があります。
一方、DX型においてDXシステム等の設備をリースで導入する場合は、リース会社ではなく「そのリース設備の使用者(工場・事業場の所有者)」が代表事業者となります。リース会社は共同事業者にもなりません。制度によってスキームが異なるため、申請前にしっかり確認しましょう。
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地方自治体独自の補助金制度も利用したいのですが、SHIFT事業と併用することは可能ですか?
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条件付きで併用(重複受給)が可能です。同一の設備に対して複数の国庫補助金等を重複して受け取ることはできませんが、地方自治体による独自の補助金であれば重複受給が可能です。ただし、自治体の補助金であっても、その財源が国からの補助金を経由している事業の場合は重複して受給することができません。
また、自治体の補助金と併用できる場合、DX型・省CO2型の両メニュー共通のルールとして、SHIFT事業の交付額を計算する際に、自治体からの補助金額を「寄付金その他の収入」として総事業費から差し引いて計上する必要があります。併用を検討する場合は、自治体の補助金の財源を含め、事前に詳しく確認しましょう。
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賃貸のテナントビルで事業を行っています。自社(テナント)単独で申請できますか?
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DX型・省CO2型のどちらのメニューでも、テナント単独での申請はできません。テナントが代表事業者となって申請する場合、建物の所有者(ビルオーナー等)を「共同事業者」として参加させる共同申請が必須となります。さらに、申請するメニューによって以下の違いがある点に注意が必要です。
- DX型の場合:テナント自身に「外部と壁や扉等で区切られていて、エネルギーの流出入がないこと」「外部エネルギー供給業者と直接契約して購入していること」という条件が求められます。これらを満たせば、テナントの利用範囲のみを対象として申請可能です。
- 省CO2型の場合:設備の導入自体はテナントの利用範囲であっても、CO2排出量の算定対象範囲はテナントの利用範囲だけに限定することはできず、「その建物(ビル)の敷地境界全体」となります。そのため、ビル全体のエネルギーデータを把握する必要があります。
第10章:SHIFT事業を活かして次の一歩へ
SHIFT事業は、自社の現在地に合わせて「診断(DX型)」から始めるか、「設備改修(省CO2型)」へ進むかを選べる制度です。本記事で紹介したとおり、
- まずは現状を把握し、
- 必要な支援機関とつながり、
- 自社に合ったメニューを選ぶ
この3つが、脱炭素経営へのスタートになります。 企業の体質改善を後押しするきっかけとなりうるSHIFT事業を活用し、自社の未来に向けて、できるところから一歩を踏み出してみませんか。
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