
新規事業の立ち上げ、資金調達、事業計画のブラッシュアップ……。グローバルな課題解決やIPOを目指すスタートアップ、起業家の悩みは尽きません。そんな課題を打ち破るべく、国の中小企業政策を担う中核機関「独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構)」による支援プログラム「FASTAR(ファスター)」をご存じでしょうか?現在、その「第15期」となる公募が行われています。本記事では、FASTARの概要やメリットなど、あなたの挑戦を加速させるプログラムについてご紹介します。
第1章:「FASTAR」はどんな支援プログラム?
FASTARは、中小機構のリソースを活用して誕生した国内屈指のアクセラレーションプログラム(支援プログラム)です。最大の特長は「困難に挑むスタートアップの挑戦を輝きに変える」というビジョンのもと、中小企業や起業家に対する支援の門戸が非常に広く開かれている点です。
1.1 原則として創業5年以内のスタートアップや起業予定の個人が対象
必須の応募要件として創業から原則5年以内(または創業前)、中小企業基本法上の中小企業者であること、みなし大企業でないことなどが定められていますが、すでに事業を始めているシード〜アーリー期のスタートアップや、創業前で起業を検討している個人はもちろんのこと、企業からカーブアウト(スピンアウト等による新会社設立)して新たな事業に挑む場合も対象となります。
また、薬機法の規制を受ける治験が必要なライフサイエンス企業など、研究開発に時間を要するディープテック領域の企業においては、例外として創業から10年以内まで応募が認められています。

1.2 地方の企業にも平等な支援機会
さらに、FASTARは「ALL JAPAN」を掲げており、情報格差が生じやすい地方のスタートアップにも、都市部と全く同じ質の専門家メンタリングやマッチングの機会を提供している点も大きな特長です。実際に、これまでの採択企業200社のうち、東京の企業は約3割にとどまり、北海道、愛知、京都、福岡など全国各地の企業が広く採択されています。
FASTARに応募できる「中小企業者」
資本金、または従業員数のどちらか一方を満たしていれば対象となります。
- 製造業 その他:資本金3億円以下 または 従業員300人以下
- 卸売業:資本金1億円以下 または 従業員100人以下
- サービス業:資本金5,000万円以下 または 従業員100人以下
- 小売業:資本金5,000万円以下 または 従業員50人以下
「みなし大企業」でないこと(次の(ア)から(ウ)のいずれにも該当しないこと)
(ア)発行済株式の総数又は出資金額の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している中小企業
(イ)発行済株式の総数又は出資金額の総額の3分の2以上を大企業が所有している中小企業
(ウ)大企業の役員を兼ねている者が、役員総数の2分の1以上を占めている中小企業
第2章:応募手続きは公式サイトから
FASTARへの応募手続きは非常にシンプルです。公式サイトからフォーマットをダウンロードし、専用のWEB申込フォームから提出することで完了します。必要書類は、応募申請書、事業プレゼンテーションシートの2点です。すでに法人を設立して決算を迎えている場合は、直近の決算書の添付も必要です(決算前でも、試算表を作成済みであれば添付が必要です)。
これらに加え、事業計画書や会社概要資料などがあれば任意で添付できます。
現在募集中の第15期の応募締切は、2026年6月12日(金)正午です。自らの事業を大きく前進させ、次なるステージへの成長を目指す方は、ぜひ公式サイトを覗いてみてください。

第3章:強力なサポート体制が大きな魅力
数あるプログラムの中でFASTARが選ばれる理由は、強力なサポート体制にあります。これまでの参加企業は200社に達しています。FASTARではプログラム卒業から2年後に追跡調査を行っており、調査が完了している第1期から第8期までの参加企業による累計資金調達額は約106億円に上ります。8割~9割に上るプログラム満足度も特徴の一つでしょう。FASTARでは、以下のようなサポートが受けられます。
3.1 強力なプロの伴走支援
VC(ベンチャーキャピタル)や投資銀行(IPO・M&A案件担当)出身者など、高度なファイナンススキルを持つ専門家(専任パートナー)が約1年間にわたり、原則月1回のペースでマンツーマンのメンタリングを実施します。事業戦略や資本政策を客観的な視点で徹底的にブラッシュアップしてくれます。
3.2 実践的な支援イベント
資金調達や知財戦略など、参加企業のニーズに応じた支援イベントも実施され、実務的な知見を得られる点も魅力です。
3.3 圧倒的なマッチング力
プログラムの集大成であるピッチイベント「デモデイ」では、VC等からの資金調達や、大企業との協業に向けたマッチングを手厚く支援します。
さらに、中小機構が運営するビジネスマッチングサイト「J-GoodTech(ジェグテック)」の本格活用もサポートされます。法人設立済みの参加企業は中小機構が初期登録手続きを行ってくれるため、全国の企業とスムーズに繋がり、テストマーケティング先や共同開発先を探索する環境を素早く整えることが可能です。

第4章:FASTARでどう変わった?
FASTARのプログラムを通じて、実際にどのような変化や成果があったのか。過去に参加した先輩起業家たちのリアルな声をご紹介します。
4.1 採択事例① 法人設立前からのスタート!複数の助成金に採択(バイオテクノロジー領域)
- 参加前の課題:法人設立前であり、法人設立に向けた手続きやビジネスモデルの構築、資金調達、知財の整理など、ゼロからのスタートに悩んでいました。
- FASTARの支援と成果:法人設立のサポートから始まり、ビジネスモデルの構築、PoC(概念実証)の実施、資金調達、知財に関する幅広い支援を受けました。結果として、事業が大きく前進し、複数の助成金に採択されるという素晴らしい成果に繋がりました。
4.2 採択事例② 事業計画の解像度が向上し、大手企業と連携へ(物流プラットフォーム領域)
- 参加前の課題:初期プロダクトや特許はあるものの、さらなる開発のための資金調達に向けた事業計画の具体化や、出資先の探索、マーケティング戦略の策定が課題でした。
- FASTARの支援と成果:ビジネスモデルや経営戦略の明確化に加え、収支計画や投資計画などの策定支援を受けたことで、事業計画の解像度が飛躍的に向上しました。資金調達に加え、国や行政機関などの支援も獲得し、大手企業の支援を受けて社会実装へと進んでいます。
このように、研究開発型スタートアップ特有の悩みから、法人設立前のゼロベースの課題、さらなる飛躍に向けた資金調達まで、それぞれのフェーズや課題に合わせた本気の伴走支援が行われていることがわかります。
第5章:よくある質問
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創業前で、まだ会社員ですが応募できますか?
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応募可能です。ただし、当プログラムでは月に1回(3~4時間程度)のメンタリングを実施するため、実際に対応できる時間を確保可能かどうか、ご検討ください。
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選ばれると、FASTARから資金援助(出資や補助金など)を受けられますか?
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FASTAR自体からの融資優遇や直接的な資金提供はありません。しかし、プログラムを通じてVC等とのマッチングに向けた手厚い支援が行われます。行政やNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)、JST(国立研究開発法人 科学技術振興機構)などの補助金・助成金を並行して活用することが推奨されています。
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他のアクセラレーションプログラムと併用できますか?
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併用可能です。ただし、他プログラム側で制約を設けている場合もありますので、そちらの要件をご確認ください。
第6章:挑戦を前に進めるために
FASTARは、事業の本質的な課題に向き合い、次のステージへ進むための実装力を育てるプログラムです。専門家の伴走と多様なマッチング機会を通じて、事業の輪郭が磨かれ、挑戦の速度が変わるはずです。
もしあなたが「もっと事業を前に進めたい」「壁を突破するきっかけがほしい」と感じているなら、FASTARはその一歩を後押ししてくれるはずです。
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