厚生労働省の令和8年度当初予算案は、一般会計総額が35兆433億円(前年度比2.1%増)に達しました。注目すべきは、高齢化による社会保障費の自然増とは切り離し、約2900億円もの賃上げ・物価対応予算が政策判断として新たに確保された点です。これは、景気回復や一時的な人手不足への対応ではなく、少子高齢化によって働き手の総数そのものが増えないことを前提に、賃上げや人材投資、生産性向上を同時に進めなければならない――いわゆる「労働供給制約社会」に本格的に向き合い始めたことを示しています。 本記事では、中小企業が実際に利用できる助成金や専門家派遣等の支援について、「どう使えるか」という視点を重視し、現場での活用イメージを想像しやすい構成としました。 第1章令和8年度予算案の全体像 1.経済・物価動向等の対応分を大規模に積み増し 令和8年度の厚生労働省予算案は、一般会計総額が35兆433億円に達し、前年度当初予算比で2.1%の増加となりました。その中心となる社会保障関係費は34兆7088億円を占めています。今回の予算案における最大の特徴は、予算編成の構造そのものが