令和9年度の厚生労働省予算概算要求は、「人への投資」を通じた成長と分配の好循環に向け、賃上げ環境整備や労働市場改革、医療・介護・福祉現場のDXや省力化投資など、事業者の取り組みを後押しする施策が盛り込まれた内容となっています。今回の要求では、医療・年金等の社会保障給付の基盤確保のほか、一般中小企業の賃上げや設備投資を補助する助成金、医療機関や介護施設、IT・機器メーカー、製薬・バイオ・スタートアップ等の民間企業が直接活用・連携できる支援プログラムが示されています。本記事では、厚労省予算概算要求の全体像と、カテゴリー別の主要事業や支援内容を解説します。 第1章:社会保障と成長投資を両立する重点要求 令和9年度の厚生労働省一般会計における概算要求額は36兆5,803億円となっています。このうち、年金や医療等に係る経費が33兆6,872億円と大半を占めますが、政策的な取組にあてられる裁量的経費として1兆8,426億円が計上されています。また、政府全体の基本方針に基づき、成長投資や賃上げの好循環を強力に後押しする枠組みとして『「強く豊かな日本」投資枠』に1兆337億円が要求されてい