専門家・企業ブログ

補助金・助成金

bizrize

2025.12.26

【ウォッチ🔍令和7年度補正予算】農業の大規模化と省力化 2,400億円の構造転換対策! スマート農業とインフラ再編に商機あり

今回は、農林水産省の令和7年度補正予算(総額約9,602億円)を解説します。まずは農家、漁業者、林業者といった生産者と、生産者を支える建設・機械メーカーに向けた、生産基盤の強化(構造転換)とコスト高騰対策に焦点を当てます。

特に注目すべきは、総額2,410億円にのぼる「農業構造転換集中対策」です。大規模な施設整備やスマート化への投資支援が含まれており、関連事業者にとって大きなビジネスチャンスとなりうるでしょう。

1. 補助上限20億円も!共同利用施設の再編と農地の大規模化

人口減少に対応するため、農地や施設を集約・効率化する取り組みに巨額の予算が投じられます。建設業やプラントメーカーにとっても注目の事業です。

共同利用施設の再編集約・合理化
  • 予算:617億円(構造転換全体2,410億円の内数)
  • 概要:老朽化した選果場、乾燥調製施設、卸売市場などを再編・集約する取り組みを支援します。
  • ポイント:特筆すべきは、補助上限額が「20億円/年×3年」と非常に規模が大きい点です。施設の統廃合や新設に伴う建設・設備需要が見込まれます。
農地の大区画化
  • 予算:574億円
  • 概要:バラバラの農地をまとめ、スマート農機が効率よく動けるよう「大区画化」する基盤整備を推進します。あわせて、水田を畑地化するための排水改良なども支援対象です。
(図表の出典は、いずれも農林水産省のウェブサイト「令和7年度農林水産関係補正予算の概要」掲載の資料)

2. ロボットやドローン導入と「サービス事業体」育成

スマート農業技術・機器の導入
  • 予算:157億円(スマート農業関連予算 総額897億円の内数)
  • 概要:自動操舵トラクターやドローン、収穫ロボットなどの導入を支援します。
  • ポイント:単に機械を買うだけでなく、農作業を代行する「農業支援サービス事業者」の育成も支援対象となっており、サービス立ち上げやシステム構築を目指す企業にもチャンスがあります。

3. 補填を受けるには省エネ化への取り組みが必須

施設園芸・漁業等の燃料価格高騰対策
  • 予算:44億円(施設園芸)、232億円(漁業)
  • 概要:燃油や配合飼料の価格が基準を超えた場合に、国と生産者が積み立てた基金から補填金を交付します。
  • 注意点:このセーフティネットに参加するためには、省エネチェックシートの実践や省エネ機器の導入など、計画的な省エネルギー化に取り組むことが要件となっています。省エネ機器メーカーにとっては提案の好機と言えます。

4. 漁船リース支援と林業機械の導入

水産業の競争力強化
  • 予算:283億円
  • 漁船リース:中核的な漁業者が、収益性の高い新型漁船や機器を導入できるよう、「リース方式」による導入を支援します(95億円)。
  • 収入安定:漁獲変動による減収を補填する「積立ぷらす」も継続されます。
林業の基盤強化
  • 予算:450億円
  • 概要:国産材の供給力を高めるため、高性能林業機械の導入や、木材加工流通施設の整備、路網整備などを総合的に支援します。

5.大規模化と省力化へ集中投資

今回は農林水産省の補正予算から、生産現場に特化した支援策を紹介しました。特に構造転換対策における共同利用施設の再編は、地域の建設・設備業者を巻き込んだ大規模なプロジェクトになる可能性があります。また、燃油高騰対策が単なる補填でなく省エネ投資とセットになっている点も重要です。

 

あわせて読む

▼ BizRizeでは、無料相談を行っております! ▼

▼ 補助金情報を毎週お届け!無料メルマガ配信中です ▼

BizRize事務局
ヒト・モノ・カネに関する経営資源を、効率よく活用できるプラットフォーム「BizRize」を運営。毎週木曜に経営者向けの勉強会を開催し、補助金や資金調達に役立つ情報を無料メルマガで配信中!

専門家・企業ブログ