
食品製造業では、慢性的な人手不足や生産効率の向上が大きな課題となっています。特に、包装や搬送の手間、品質管理の負担を減らしながら、コストを抑える方法を模索している企業も多いのではないでしょうか?
そんな課題解決の鍵となるのが、「中小企業省力化投資補助金」です。この補助金を活用すれば、最新の自動化設備を導入し、作業負担を大幅に軽減しながら生産効率を高めることが可能です。
本記事では、冷凍食品製造業に特化した補助金の概要、活用事例、おすすめの最新設備まで詳しく解説します。「自社に合った補助金の使い道を知りたい」「業務効率化を進めたい」とお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください!
中小企業省力化投資補助金とは?
省力化投資補助金は、正式名称を「中小企業省力化投資補助事業」といい、企業が生産性を向上させるために導入する設備や機器に対して支援を行う制度です。特に、業務の効率化や省力化に繋がる機器の導入に対して補助金が支給されます。令和6年度補正予算でも大きな金額が組まれています。また、カタログ注文型に加えて、一般型という枠も追加されました。

(参考:令和6年度補正予算 )


(参考:中小企業省力化投資補助金ご案内チラシ)
カタログ注文型の特徴
- 令和5年に新設:この補助金は、2023年に新しくスタートした制度です。
- カタログ注文型:省力化製品のカタログに登録された製品から、自社の課題に最適な製品を選び簡易的に申請できる仕組みです。現在はカタログ式ではない「一般型」の情報もでています。
- 販売事業者が申請を支援:販売事業者が申請や手続きをサポートします
カタログ注文型の補助率・補助金額について
補助対象としてカタログに登録された製品等が対象となります。
従業員数 | 補助上限額 | 補助率 |
5名以下 | 200万円 (300万円) | 1/2 以下 |
6~20名 | 500万円 (750万円) | |
21名以上 | 1,000万円 (1,500万円) |
大幅賃上げを行う場合は( )内の金額に引きあがります。
①事業終了時に事業所内最低賃金を45円以上増加、②給与総支給額を6%以上増加。
※省力化製品の本体価格と導入設置費用が補助対象経費となります
食品製造業におすすめカテゴリ4選
食品製造業向けに特におすすめの設備4選を詳しく解説します。調理・包装・ラベリングなどの工程を自動化し、生産性向上につなげましょう!
1.スチームコンベクションオーブン
スチームコンベクションオーブンは、熱風と水蒸気を組み合わせた多機能調理機です。現在、食品関連でもっともカタログ掲載数が多い商品です。
導入による省力化効果
- 手作業の加熱調理を完全に機械化し、人手を削減
- 水蒸気の利用で従来のオーブンよりも高速調理が可能(時間短縮)
- 加熱時間・温度・方法をプログラム設定でき、経験の浅いスタッフでも熟練の技を再現可能(人材不足対応)
活用事例
- 飲食店のシェフがフライパンで調理していた作業を自動化
焼く・蒸す・煮る・炊く・炒めるなど、幅広い調理をスチームコンベクションオーブン1台で実現可能に。 - ローストビーフの調理が劇的に効率化
従来は熟練の料理人が約2時間付きっきりだったが、当該製品を導入すればボタンを押すだけで自動調理が可能に。
2. オートラベラー
オートラベラーは、製品やパッケージ資材に粘着ラベル(シール)を自動で貼り付ける装置です。
導入による省力化効果
- 手作業によるラベル貼りを機械化し、人員数を削減
- 同一時間内での処理数向上が可能
- ラベルのズレ・曲がり・皺が発生せず、確認工程の省略が可能
活用事例
- 飲料メーカー
飲料の瓶や缶にラベルを貼る工程で、オートラベラーを使用してラベルの貼りミスをゼロに。これにより、手作業で発生していた「ずれ」や「シワ」の問題が解消された。 - 食品パッケージング工場
様々な食品パッケージにラベルを自動で貼り付け、一貫した品質を確保。時間帯やシフト交代時に品質が変わらないため、品質管理が簡単になった。 - 冷凍食品製造業
製品が冷凍状態でも安定してラベルを貼れるため、安定したスピードで大量生産が可能。
3.食品包覆機(食品包あん機、 餃子成型機等)
和洋菓子や調理食品などの製造工程で、人手を介さずに均一に具 材等を生地等で包む作業を行う装置です。
導入による省力化効果
- 時間と労力を要する包み作業を自動化し、大幅な生産性向上が可能
- 熟練作業員の手作業を置き換え、人材不足の解消に貢献
- 一定の品質で均一に成型できるため、製品の仕上がりが安定
活用事例
- 和菓子工場
あんこや餅を生地で包む工程で、包覆機を導入することで、一貫した仕上がりと大幅な生産性向上を実現。特に大量生産において人手を大きく削減できた。 - 餃子製造工場
手作業で包んでいた餃子の皮を、包覆機を使って均等に成型し、製造スピードと品質の安定化に成功。機械化により製品のばらつきが減り、安定した品質の餃子が作れるようになった。 - 調理済み食品製造
具材を生地で包む調理済み食品を生産する際、包覆機の導入で作業の省力化と安定した品質管理が可能となり、大量生産を支えることができた。
4.自動フライヤー
自動フライヤーは、揚げ調理を自動化し、揚がった食材を自動で油槽から取り出す機能を備えたフライヤーです。加熱時間・温度の設定が可能で、食材ごとの適切な調理を簡単に再現できます。
導入による省力化効果
- 調理作業の自動化により、人手の削減と業務効率化を実現
- 温度や加熱時間をプログラムでき、常に一定の品質で調理可能
- 揚げすぎや火傷などのリスクを低減し、安全性向上
活用事例
- 冷凍食品工場での活用
から揚げやコロッケの大量生産ラインに導入し、作業員が常に揚げ時間を管理する必要がなくなった。 - 弁当・総菜工場での活用
トンカツや天ぷらの調理を自動化し、調理時間の短縮と仕上がりの均一化を実現。 - 食品メーカーの試作工程での活用
作業員が揚がり具合を確認する手間がなくなり、他の業務に集中できる
カタログ注文型だけじゃない「一般型」もおすすめ
省力化投資補助金は、カタログ注文型だけでなく、一般型でも申請が可能です。この新枠では、企業がオーダーメイド形式での支援を受けることができ、ソフトウェアとハードウェア両方が支援対象となります。
これまでの省力化投資補助金カタログ形式の支援では製品の選択肢が限られていたため、企業によっては活用が難しいと感じるケースが多くありました。実際に、多くの企業から製品を組み合わせたりカスタマイズして申請できないのかというご相談をいただいてきました。これに対して、今回の改正では、ハードウェアとソフトウェアを自由に組み合わせて申請できる新しい枠が登場し、企業のニーズに対応する形になっています。
補助上限額 最大1億円
補助率1/3 ~2/3
人数による補助金額
従業員数 | 補助金額 |
---|---|
5人以下 | 750万円(1,000万円) |
6~20人 | 1,500万円(2,000万円) |
21~50人 | 3,000万円(4,000万円) |
51~100人 | 5,000万円(6,500万円) |
101人以上 | 8,000万円(1億円) |

(参考:一般型 チラシ )
まとめ
「中小企業省力化投資補助金」を活用すれば、食品製造業の生産性向上や業務効率化を加速させることができます。特に、最新の自動化設備を導入することで、人手不足の解消や作業時間の短縮、品質管理の強化など、様々なメリットが得られます。
カタログ注文型だけでなく、一般型の補助金も申請可能で、これによりさらに幅広い選択肢が提供されています。自社の課題やニーズに合った設備を導入することで、さらなる生産性向上が見込まれます。
食品製造業に特化したおすすめの設備をうまく活用し、効率化を進めることで、競争力を高めるとともに、今後の事業展開にも大きなプラスとなるでしょう。
補助金を有効に活用し、未来の生産体制を強化していきましょう。
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