
おばら行政書士事務所(東京都新宿区若葉)の行政書士・小原恭子さんは、「現場」に飛び込んでは、緻密なヒアリングでクライアントの強みを見いだし、寄り添うことを心掛けています。夫で中小企業診断士の小原久明さんと、それぞれの得意分野を生かして顧客と向き合う日々です。
第三者目線で互いの仕事をチェック

――ご夫婦それぞれ事務所を構えておられるのですね。
恭子さん:私は行政書士事務所の開設にあたり、企業を主たるクライアントにしたいという思いがありましたので、現在の地に構えました。OFFICE OBARA合同会社(埼玉県川口市鳩ヶ谷本町)は夫が代表で、行政書士の業務範囲については私が携わっています。私と夫それぞれが担当する顧客の事業計画を策定する際など、お互いに第三者目線でチェックしあうことで、独りよがりの計画にならないよう努めています。
――恭子さんはもともと、マーケティング業界におられたとか。行政書士に転身したきっかけは何だったのですか。
恭子さん:仕事が激務だったこともあり、体調を崩してしまい…。行政書士試験の勉強をしていた友人がいたということもあるのですが、これからの日本の産業は、外国人なくしては立ち行かないだろうと考え、入管業務を取り扱う行政書士を志しました。
――久明さんが中小企業診断士を目指された経緯は?
久明さん:私は高校の英語教員や、スポーツ用品の小売業界などを経験しました。お客様には中小企業が多かったのですが、「なかなか事業がうまくいかない」という話をよく聞きました。「じゃあ、こうしてみたらどうですか」とアドバイスするのですが、「でも、社内のこっち側がこうだから(だめだ)…」とおっしゃるのです。だったら、企業の全体を見てアドバイスできる中小企業診断士を目指そう、というのがきっかけでした。
強みはワンストップ

――ご夫婦それぞれの専門分野で、どのように業務連携されているのですか?
恭子さん:例えば、許認可を得てビジネスを始めるお手伝いとなると行政書士である私の専門分野です。やがてビジネスが成長し、資金調達やM&Aなどの話が出てくると中小企業診断士である夫の専門領域になってくるというイメージですね。雇用が増え、外国人人材を確保したいとなると、再び私の出番になります。一連の業務を、夫と連携しワンストップでできるというのが強みだと考えています。私は、他士業やIT関係者、広告代理店時代の知人なども多いので、業務を行う上で人脈も役立っています。
――ワンストップで対応していただけると、顧客から喜ばれるでしょう。
恭子さん:ちょっと分からないことがあるとき、ふと思い出して電話をくださる方もいます。「とりあえず相談してみよう」という感じですね。私たちが、よろず相談所的な役割を果たせているとしたら、嬉しいですね。
――ご夫婦ともに、補助金申請業務を手掛けられていますね。
恭子さん:私は「ものづくり補助金」など、ストーリー性のある補助金の申請業務が得意です。補助金の支援は10年以上になりますが、国以外のものも含め9割に近い採択率です。夫は「省エネ補助金」など、他のコンサルタントがあまり手掛けていないジャンルの補助金を得意としています。
現地での徹底したヒアリング
.jpg)
――恭子さんは、中小企業の経営革新などをサポートする専門家である「認定経営革新等支援機関」として、中小企業庁が発行する「優良取組事例集」で紹介されていますね。
恭子さん:板金加工会社が、補助金を活用して設備投資をしたいということで、数年後を見据えた事業計画の策定まで携わりました。常日頃、私が大事にしているのは、業界を知るため必ず現場(現地)に行き、徹底したヒアリングをするということです。会社の創業・生い立ちからうかがいます。くだんの板金加工会社の場合は、工場を訪れて板金の商流、作業手順、加工など、最初のヒアリングだけでも2時間ぐらいかけたと思います。溶接跡の美しさが印象的でしたので、そこにフォーカスして事業計画を作っていきました。
「うち(の会社)には強みなんてないよ」とおっしゃる経営者も多いのですが、よくよくお話をうかがうと、全く普通じゃない、ほかの会社はやっていないことが見つかるものです。事業計画を作成するとき、私は、その会社の従業員になったつもりで、会社の内部から会社を見ているつもりで書類を書きます。会社の社長さんが言いたいことを、余すところなく表現したいからです。ご評価いただけたのは、アフターフォローも丁寧に行っているためかとも思います。この会社は、その後事業規模が拡大し、外国人人材を増やしたいとのことでした。私は※登録支援機関(入国管理庁)でもありますので「支援をお願いしたい」との依頼をいただき、その分野でも関わることが出来ました。
久明さん:顧客の話を聞く上で、現場・現物を見るというのは一番大事なことだと思っています。現場に行かずして、企業が持つ「空気感」を文書に落とし込むことは難しいですね。
恭子さん:オンラインミーティングが発達したとはいえ、従業員の声を聴くというのも現場でなければ出来ませんね。
※登録支援機関=特定技能外国人を受け入れる企業に代わり、「支援計画」に沿って、入国から帰国まで一連のサポートを行う。
相手の「懐」に飛び込んで心を開いてもらう

――顧客からのヒアリングは、スキルが要求されるのでは?
久明さん:本音を引き出すということは、難しい作業です。私は二つのことを大切にしています。まずは、相手を否定しない。例えば、顧客が赤字の企業であれば、財務諸表を見ながら、どこに問題があるのか想像しながら話を聞きます。最初から「業績がうまくいっていませんね」と始めると、相手も話したがりませんよね。二つ目は、私が深刻になりすぎないことです。私が深刻な顔をしていると、相手も身構えますからね。相手の心を開くには、笑顔で臨むことです。
恭子さん:話を引き出すうえで大事なのは、やはり現場に行くことです。業界のことを一番知っているのは顧客であり、私はいわば素人です。「工場見学に来た子供に説明するつもりで話してください」とお願いするのです。相手のテリトリーに飛び込んでいくと、いろいろと話してくださいますし、「話を聞いてくれてありがとう」と言われることもあります。
――これから心掛けていきたいことを教えてください。
久明さん:目の前の、困っておられる事業者に寄り添う、というスタンスは変えたくないです。
恭子さん:私も、顧客に寄り添い、無理をさせないということを大事にしたいです。その上で、顧客が事業を進めるために大事なこと・気づいていないことに私が気付けるよう、俯瞰していくことが必要だと思っています。正しい知識を身に着けるため勉強を怠らず、顧客に誠実に向き合いたいですね。
専門家プロフィール

小原 恭子
おばら行政書士事務所 代表
特定行政書士
認定支援機関
登録支援機関(入国管理庁)
認定経営革新等支援機関、登録支援機関(入国管理庁)、特定行政書士でもあり、幅広い業務に対応している。

小原 久明
OFFICE OBARA合同会社 代表
中小企業診断士
千葉商科大学大学院・大学講師
中小企業庁M&A認定支援機関
中小企業庁M&A 認定支援機関、大学講師なども務める。豊富な実務経験に裏打ちされた助言を行う。
事業者情報
会社名 | おばら行政書士事務所 |
代表者 | 小原恭子(認定支援機関 行政書士) |
連絡先 | TEL 03-6679-2409 MAIL info@officeobara.org |
事業内容 | 在留資格・帰化申請サポート、 各種許認可申請、 会社設立・補助金申請支援、 相続・離婚・契約書作成などの法務支援 |
住所 | 〒160-0011 東京都新宿区若葉1-6-1 ビジネスガーデン四ツ谷アネックス |
アクセス | JR中央・総武線 四ツ谷 徒歩6分 東京メトロ丸ノ内線 四ツ谷 徒歩6分 東京メトロ南北線 四ツ谷 徒歩6分 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
定休日 | 土曜、日曜、祝日 |
ホームページ | https://www.officeobara.org/ |
会社名 | OFFICE OBARA合同会社 |
代表者 | 小原 久明(中小企業診断士) |
連絡先 | TEL 050-3708-1260 |
事業内容 | 在留資格・帰化申請サポート、 各種許認可申請、 会創業・資金調達支援 補助金申請サポート M&A・事業承継コンサルティング フランチャイズ展開支 会社設立・各種許認可申請 外国人の在留・永住・帰化申請サポート OEM飲料販売・オリジナル商品開発支援 |
住所 | 〒334-0002 埼玉県川口市鳩ヶ谷本町4-1-6 |
アクセス | 埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線 「鳩ヶ谷駅」より徒歩8分 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
定休日 | 土曜、日曜、祝日 |
ホームページ | https://officeobara.com/ |