
小規模事業者持続化補助金には、「一般型(通常枠)」とは別に、創業期の事業者を対象とした「創業型」が設けられています。
2026年公募(第3回)では、この創業型について制度の考え方が整理され、開業直後など、創業初期の段階にある事業者でも申請を検討しやすくなる変更が行われました。
本記事では、
- 創業型(第3回)の制度概要
- 2026年公募における変更点のポイント
- 開業直後でも申請できる条件
- 注意すべき勘違い
を、実務目線で分かりやすく解説します。
1.小規模事業者持続化補助金〈創業型〉とは?
創業型は、小規模事業者持続化補助金の中でも、創業して間もない事業者を対象とした申請枠です。
一般型〈通常枠〉が、「すでに事業を継続している事業者の販路開拓」を支援する制度であるのに対し、
創業型は、事業を立ち上げたばかりの段階で必要となる販路開拓や事業基盤づくりを支援することを目的としています。
創業期は、
・売上が安定していない
・広告宣伝や設備投資などの初期費用が先行しやすい
といった特徴があり、資金面の負担が大きくなりがちです。
創業型は、こうした創業期特有の事情を踏まえ、一般型よりも補助上限額を高く設定するなど、創業者向けに設計された制度となっています。

2.2026年・第3回の重要変更点
2026年公募(第3回)における創業型の最大のポイントは、「創業初期の事業者に対する考え方が明確になった」点にあります。
これまでの創業型では、「どの程度事業が進んでいれば申請できるのか」「開業してすぐでも対象になるのかといった点が分かりにくく、判断に迷うケースも少なくありませんでした。
第3回公募では、開業直後など、事業実態が固まりきっていない段階であっても、
一定の条件を満たしていれば申請対象となり得るという考え方が整理されています。
変更点1 事業活動を開始していない事業者も対象に
第3回公募では、創業型の対象について、「申請時点ですでに商品またはサービスの提供を開始している事業者に限らない」という考え方が、公募要領上で明確に示されました。
公募要領抜粋
※1:申請時点において、すでに商品またはサービスの提供を開始している事業者に限らず、以下のような、創業間もなく、未だ事業活動を開始していない事業者についても、補助対象となりえます。
例)店舗がオープン準備中である事業者、EC モールへの出店準備中である事業者、販売先への営業活動を開始していない事業者等
ただし、補助事業終了までに商品またはサービスの提供を開し、事業活動を開始することが必要です。この要件を満たさない場合、補助金は交付されません。補助金交付後に事業活動が行われていなかったことが判明した場合には、交付決定を取り消します。
これから飲食店開店しようというときの改装費や設備投資費が対象になるようになったのは大きな変更点です。
ただし、注意点があります。
【注意点①】開業届は出していることが前提
創業型で申請する場合、開業届(個人事業主の場合)や履歴事項全部証明書(法人の場合)といった書類の提出が求められます。そのため、開業・設立が完了していること自体は必須条件となっており、「開業届をまだ提出していない完全な未開業状態」では申請できません。
一方で、創業型の第3回公募では、開業・設立後であっても実際の営業をまだ開始していない段階や、売上が発生していない創業初期の状態であっても、要件を満たしていれば申請を検討できると整理されています。
ただし、補助金のスケジュールに合わせて設備投資や広報活動を計画する場合、開業・設立完了から実際に事業を開始するまでの期間が長くなってしまうケースも想定されます。補助金は申請・採択・交付決定というプロセスを経てから事業を実施するため、すぐに設備を導入できるわけではありません。そのため、ご自身の事業開始スケジュールと補助金のスケジュールが無理なく合うかを事前にしっかり確認したうえで、申請を検討することが重要です。
【注意点②】補助事業終了までに商品またはサービスの提供を開始し、事業活動を開始することが必要
補助事業終了日(実績報告日)までに、納品・検品・支払いを終了するだけではなく、「オープンして営業を開始している状態」にしなければならない点に注意しましょう。
変更点2 対象が創業から1年以内の事業者へ
第3回公募では、創業型の対象となる事業者の範囲についても見直しが行われています。これまで「創業から3年以内」とされていた要件が、今回の公募から「創業から1年以内」へと変更され、より創業初期の事業者に対する支援を重点化した制度設計となっています。
▼両方を満たす事業者が対象に
・開業日(設立年月日)が公募締切時から起算して1年以内
・特定創業支援等事業による支援を受けた日が公募締切時から起算して1年以内
3.補助金額
補助上限額:200万円
下記特例利用で最大250万円まで補助金額が引き上げられます。
・インボイス特例対象事業者は50万円上乗せ
●補助率:2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)
※一般型と比較して、補助上限額が高く設定されている点が大きな特徴です。
【必須要件:特定創業支援等事業とは?】
産業競争力強化法に基づき、市区町村や認定支援機関が実施する創業支援制度
=創業に必要な4つの知識(経営・財務・販路拡大・人材育成)が身につく支援制度です。
●特定創業支援事業「証明書」の取得方法
①お住いの自治体が用意している「特定創業支援等事業」を調べる
(自治体のHPなど)
②スケジュールを確認し、予約
③創業支援プログラム(セミナー・個別相談など)を受講
④市区町村から「特定創業支援等事業を受けた証明書」を取得
自治体によっては開催が少なかったり、予約~証明書発行まで時間がかかる場合があるので注意してください。福岡市の事業者様向けに、当社団では「特定創業支援等事業対象セミナー」を随時開催しておりますので、詳しくはこちらをご覧ください!(最短1ヵ月で取得が可能です)
(特定創業支援等事業ページ準備中)
4.公募スケジュール【一般型・創業型 共通】
小規模事業者持続化補助金(一般型〈通常枠〉・創業型)は、
同一スケジュールで公募が進行します。
まずは、2026年公募の全体スケジュールを確認しておきましょう。
スケジュール
● 公募スケジュール
- 公募要領公開:1月28日(水)
- 公募申請受付開始:3月6日(金)
- 公募申請受付締切:4月30日(木)17:00
- 事業支援機関確認書(様式4)発行の受付締切:4月26日(木)
※一般型・創業型いずれも同日程です。
【重要】実質的な締切は「4月26日」
ここで注意したいのが、
申請締切(4月30日)=準備の締切ではないという点です。
持続化補助金の申請には、
「事業支援機関確認書(様式4)」が必須となっており、
この様式4の発行受付締切が 4月26日 に設定されています。
つまり、
4月26日までに商工会・商工会議所での確認が完了していなければ、申請自体ができません。
「締切は4月30日だから、まだ余裕がある」と考えていると、
様式4が間に合わず、申請できなくなるケースも少なくありません。
これがないと申請できない!【様式4とは?】
様式4(事業支援機関確認書)とは、
お近くの商工会または商工会議所が発行する、申請に必須の書類です。
この様式4は、
申請者が作成した以下の書類をもとに発行されます。
- 様式2(経営計画書)
- 様式3(補助事業計画書)
商工会・商工会議所は、これらの内容を確認したうえで、「事業計画が整理されているか」「補助金の趣旨に沿っているか」といった点をチェックし、様式4を発行します。
このため、「申請締切から逆算する」のではなく、「様式4の発行を起点に準備する」という考え方が重要になります。
5.申請の流れ【全体像を把握しよう】
小規模事業者持続化補助金は、「申請したらすぐ使える補助金」ではありません。
申請から補助金入金までには、いくつかの重要なステップがあります。
ここでは、一般型・創業型共通の申請から入金までの流れを順を追って解説します。
《重要》特定創業支援等事業を受講する
まず大前提として、特定創業支援等事業を受講している必要があります。受講がまだの方は、まずは特定創業支援等事業を行っている団体のセミナー等を受講しましょう。これを満たしていない場合、創業型での申請はできません。
GビズIDの取得・必要書類の準備・事業計画書の作成
まず最初に必要となるのが、GビズID(gBizIDプライム)の取得です。
持続化補助金の申請は、電子申請のみで行われるため、GビズIDを持っていない場合は申請自体ができません。代表者のマイナンバーカードで即日発行も可能になっています!
次に、申請に必要となる書類の準備と、
事業計画書(様式2・様式3)の作成を行います。
ここでは、
・どのような事業を行っている(行う)のか
・補助金を使って何を実現したいのか
・その取り組みが売上や事業の成長にどうつながるのか
といった点を、具体的に整理していく必要があります。
この事業計画書の内容が、審査の中心となるため、申請の成否を左右する重要なステップといえます。
商工会・商工会議所へ様式4の発行依頼
事業計画書がある程度まとまったら、お近くの商工会または商工会議所へ事業支援機関確認書(様式4)の発行依頼を行います。
電子申請システムで申請書類を提出
様式4の発行を受けた後、電子申請システムを利用して申請書類を提出します。
持続化補助金の申請は、電子申請のみ対応となっており、郵送や持参での提出は認められていません。
採択発表(申請から約3か月後)
申請後、審査を経て、
おおよそ3か月後に採択結果が発表されます。
今回の場合、採択発表は 7月頃~ が想定されています。
見積書等の提出(実質的な交付申請)
採択後は、見積書を提出し、実質的な交付申請を行います。
交付決定後|事業実施
交付決定後、
実際に事業を実施し、
・発注
・納品
・支払い
を行います。
実績報告
支払い証憑や写真など実施を報告する申請を行います。
事業の実施期限は2027年6月30日まで とされており、
この日までに納品・支払いを完了し実績報告をする必要があります。
補助金額の確定・入金
実績報告の内容が確認されると、補助金額が確定し、補助金の請求手続きを行います。
その後、指定口座へ補助金が入金される流れとなります。
発注可能になるのが夏以降になるスケジュール感ですので、それでも問題ないか確認してから申請行いましょう。
6.最後に
当社団では、小規模事業者持続化補助金についてのご相談を承っております。
特定創業支援等事業についてのご質問もお気軽にご相談ください。




