食品製造業界全体の省力化・生産性向上に役立つ、共通技術の開発や実証を行うための補助事業(業種横断型技術開発実証事業)が現在公募中です。自社の力だけでは自動化(機械化)・省力化の壁を越えられない…とお悩みの食品製造事業者や、新しい技術を業界に展開したいとお考えの機械メーカーにとって、強力な後押しとなる制度です。本記事では、この事業の目的や概要、実務上のポイントを分かりやすく解説します。 第1章:食品製造業の省力化における現状と課題 1.1 他産業より低い労働生産性と深刻な人手不足 食品製造の現場では、慢性的な人手不足が深刻な課題となっています。農林水産省が2026年1月に公表した「食品製造業をめぐる情勢」における最新の分析によると、製造や盛付けなど人手を要する工程が多い食品製造業の労働生産性(従業員一人あたりの年間付加価値額)は711万円であり、全産業平均の971万円と比較して大きく下回る低い水準にとどまっています。業種別に見ても、弁当、惣菜、めん類、パン・菓子製造業などにおいて特にその傾向が顕著です。国もこの事態を重く見ており、食品製造業を省力化政策の重点業種の一つと