賃上げ支援や労働環境改善に力点厚労省が描く安心の仕組み 国の「令和8年度概算要求」が公表されました。概算要求とは、各省庁が来年度にどんな事業を行うか、そのためにどれくらいの予算が必要かを希望することです。概算要求額の注目点などをご紹介する本シリーズ。今回は厚生労働省です。厚生労働省の要求は、私たちの働き方や暮らしに直結する内容が多く、給料アップや人手不足、医療・介護といった身近な問題への対策が込められているのが特徴です。 この記事では、難しそうに見える予算要求を「自分に関係のある話」として読み解き、皆さんの事業や将来設計に役立つ羅針盤として活用できるよう解説します。 ※本記事で使用している図表は、いずれも、厚生労働省のウェブサイト「令和8年度厚生労働省所管予算概算要求関係」に掲載されている資料から引用しています。 第1章:厚生労働省 令和8年度概算要求の全体像 厚生労働省が令和8年度に要求した予算は、約34兆7,929億円です。これは前年度予算額の34兆3,064億円から4,865億円(1.4%)の増額となっています。この増額の背景には、急