昨今、「適切な価格転嫁」の必要性が叫ばれています。2025年5月には改正下請法が成立し(2026年1月施行)、賃上げ原資の確保やサプライチェーン全体の健全性確保を狙った環境整備が進められています。 しかし現場では、重要性を認識しながらも「適正な転嫁ができない」「どう交渉すればよいか分からない」という悩みが依然として多く聞かれます。 価格転嫁は一部企業の努力目標ではなく、日本経済全体の持続可能性に直結する社会課題です。だからこそ、制度や指針だけで終わらせず、実務の現場で困ったときに頼れる相談窓口や支援制度があることも知っておく必要があります。 本記事では、価格転嫁に関する課題とともに、実際に活用できる支援情報もご紹介しますので、ぜひ活用してください。 01 公的資料での言及 適切な価格転嫁の必要性について、公的資料ではどのように言及されているのか、まずは二つの事例を読み解いてみましょう。 1.1 2025年版中小企業白書 2025年版中小企業白書では、「適切な価格転嫁」の重要性が明確に示されています。物価や人件費の上昇、人手不足などでコスト削