改正下請法が、このほど成立しました。2026年1月に施行されます。中小企業経営者の皆様の中には、関心をもって動向を見守っていた方も多いのではないでしょうか。今回は、下請法がどのように変わるのか、また、どのような影響が考えられるのか、見ていきたいと思います。 01 下請法改正の背景 今回、下請法の改正に至った大きな理由は、発注者と受注者が対等な立場に立ち、適正な価格転嫁や取引を行うためです。 具体的な背景として、昨今の人件費や原材料費、エネルギーコストなど、さまざまなコスト上昇があります。物価上昇を上回る賃上げを実現するためには、事業者が賃上げのための原資を確保することが必要です。 そして、賃上げの原資を確保するためには、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させる「構造的な価格転嫁」の実現が不可欠です。例えば、協議に応じず一方的に価格を決めてしまうような行為や、受注者にコスト上昇の負担を押しつけてしまうような商慣習は一掃して、取引を適正化しなければなりません。 このように、受注者に負担を求める商習慣を改めるという観点を踏まえ、下請法の改正が検討されて