秋田市の行政書士・松本和博さんは、製造会社に勤務した実務経験を活かしながら、独自の「バンク・リレーションシップ(BRS)」戦略で金融機関との間に信頼の架け橋を築きます。資金調達と事業計画の支援を得意とし、秋田の中小企業を経営面から支える、その専門性を紐解きます。 ――以前は製造会社に勤めておられたそうですね。 もともと地元・秋田の工業高校で金属加工を学び、この経験がものづくりに関心を持つきっかけとなりました。大学は山形大学の工学部に進み、化学工学を学びました。化学工学は単純な化学の話ではなく、学術的な部分と、ものづくりの現場を結びつけて学ぶイメージです。卒業後は岐阜県の石灰メーカーに入社しました。 石灰の主な用途は、不純物を取り除くことです。ドロドロに溶けた鉄の中に石灰石を入れると、石灰石はスラグとなり不純物を吸着します。すると、とても純度の高い鉄ができます。その会社で、1年目は工場、2年目以降は研究開発や新製品開発部門を経験しました。新規事業の立ち上げに伴うフィールドワークや技術開発を担い、現場や、お客様のもとにも行きながら、いかにして新規事業や新商品を作