外国人起業支援事業

創業計画の策定支援

日本人が日本国内で起業するのに比べて、外国人の方が日本国内で起業するには高いハードルがあります。会社を創業するには行政への様々な手続きや申請が必要になることも多く、言語の壁があることはもちろん、事業を行う上も日本独特の文化や慣習への深い理解が必要になるためです。これは日本人が海外で起業するケースを想像してもらえばわかりやすいかもしれません。
ただ、国や地方自治体では積極的に外国人起業家に活躍してもらうことを期待しており、経済産業省では、外国人起業家の招へい促進を目指し、2018年12月に「外国人起業活動促進事業」を開始しました。この事業では、外国人起業家に対して、最長1年間の在留許可(スタートアップビザ)を提供するだけでなく、指定された地方自治体の助成金事業なども活用できるようになっています。また、地方自治体による「外国人起業活動管理支援計画」に基づく管理・支援などを受ける外国人起業家は、最長で1年間、起業準備活動のために入国・在留することが可能となります。
外国人起業家の方も、起業に際しては事前に創業計画を策定することが必要になってきます。日本人同様、金融機関や投資家などから資金を調達するにあたって事業計画書の提出が求められるケースも多いです。当社団では、日本国内市場のニーズや規模の調査支援や、マーケティング戦略のアドバイス等を中心に創業計画策定の支援を行っています。

起業した後、すぐに必要になってくるのが取引先の開拓です。リアルの店舗型ビジネスなどであれば、開業後、店前にのぼりや看板を設置したり、お店の近隣の住宅やオフィスにチラシを配布するなどして、開業したことをお客様に知っていただくことができれば、待っていても一定数はお客様が来る、といったケースはありますが、B to Bビジネスやインターネットを通じたビジネス等は、待っていても一向にお客様は来ないため、取引先の開拓が必須になります。幼い頃から日本で生活をされてきた方であれば別ですが、外国人起業家の方は日本人や日本国内の企業とのネットワークがないケースも多くあります。企業として売上を伸ばし、成長していくためには新しい顧客の獲得が必要になってきます。取引先の開拓は事業を継続し、発展させるために不可欠です。取引先の開拓には、商品・サービスの販売促進を目的とした広告施策の実施や既存顧客からの紹介、展示会・見本市への出展、行政のビジネスマッチングサービスの活用、インターネットショップへの出店など、様々な手法があります。また、テレマーケティングを通じた取引先の開拓などでは、新しい顧客を獲得するために必要な情報を収集することが重要になってきます。事業を継続するには売上はなくともランニングコストがかかってきますので、精度の高い新規顧客開拓リストを作成し、効率的に営業活動を行っていくことが大切です。
当社団では日本国内に新たな付加価値を生むことを目的に外国人起業家向けに取引先企業の斡旋や紹介といった国内企業とのマッチングを積極的に行っています。

金融機関とのマッチング支援

事業を行ううえでは、そのための資金が必要となります。開始する事業によって大小はありますが、まず必要になってくるのは創業時の設備投資に係る資金です。
また、事業開始後、軌道に乗るまでの間、事業を継続するための運転資金も用意しなければなりません。事業を開始しても十分な売上がつくれるまで、多くの場合、ある程度の時間を要しますし、仮に売上がつくれても、取引先から代金の支払いがなされる(着金する)までの間にタイムラグがあるのが一般的です。十分や資金を用意せずに事業を開始してしまうと、事業開始後、逆に受注がとれてしまったことで、先に原価の支払いが重なってしまい、キャッシュフローが回らなくなって黒字倒産してしまう、といった事態に陥ってしまうことも考えられます。また、事業が上手くいった場合も、事業を拡大する際には新たな投資が必要になります。
自己資金だけでそれを賄えるのであれば問題ありませんが、資金が足りない場合、何らかの方法で資金調達をする必要があります。金融機関からの借入はそうした資金調達方法の基本となります。
外国人起業家の方にとって日本の金融機関に事業資金の借入(融資)に申し込むことは不安な面が大きいと思います。また、預金取引等と異なり、融資取引は金融機関によっても条件に大きな違いがあります。当社団では、日本人の起業家の方同様、外国人起業家の方々向けにも金融機関のご紹介を行っています。外国人起業家支援に積極的な金融機関をご紹介します。また、相談者様のご要望に応じて、金融機関以外のノンバンク、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家のご紹介や斡旋を行うことも可能です。

翻訳・通訳のサポート

事業内容にもよりますが、日本国内で起業するうえでは、創業に際して様々な手続きが必要であるケースが多く、行政に各種申請書類を提出することが求められます。日本語を話すことはできても、漢字を含めた日本語を不自由なく読んだり書いたりするには、高い日本語の運用能力が要求され、多くの外国人起業家の方にとってこうした言語の壁は創業時の高いハードルとなっています。日本語は世界中に数多ある言語の中でも特に習得することが難しい言語であると言われています。また、事業を開始するにあたっても、日本国内で事業を行う場合、顧客の多くが日本人になることが想定されるため、日本語によって商品やサービスを説明する必要があります。顧客が日本人になる場合、マーケティングのための広告等ももちろん日本語で表現する必要があり、外国人起業家の方にとって事業を進める上で常に言語の問題がついて回ります。このような問題を解決するため、当社団では翻訳や通訳の専門機関や専門家と連携し、外国人起業家の方向けに多言語の翻訳および通訳サービスの紹介を行っています。